更新日: 2025/02/28


ルセフィ

この記事の監修者

ドクター

ユナイテッドクリニック
総院長

細田 淳英

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【経歴】

平成15年3月 帝京大学医学部卒業
平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院

ルセフィのポイント

① ルセフィとは

・糖尿病だけでなく医師の指導に基づくメディカルダイエットでも使用される薬剤

② ルセフィのダイエット効果

・血中の糖分の排出を促進する作用があるためダイエット効果が期待されます。

ルセフィでのダイエット効果が不十分の場合:メディカルダイエット薬「リベルサス」(※1)への切り替えまたは併用することで、ダイエット効果の更なる向上が期待できます。

③ ルセフィの入手

・お薬代は1錠当り390円と低価格で、当院は初診料・再診料は0円です。

・入手方法は、5分程度で、来院不要のオンライン診療がお勧めです。

・再診は、医師の診察希望がなければ1年間の診療計画により、当日の診察なしで、来院の場合は窓口で直ぐお渡しし、オンライン診療(※2)の場合は最短即日発送(送料、原則無料)します。

メディカルダイエット(医療ダイエット)

メディカルダイエットとは、医師の指導を受けながら肥満治療を受けることです。過度なトレーニングや食事制限なしで医師の指導による医学的根拠に基づくダイエットです。

メディカルダイエットの種類

体重や脂肪を減らすため、医療機関で薬や医療機器を使用します。メディカルダイエットの種類は主に以下の2つに大別されます。

体重減少目的飲み薬、自己注射、漢方薬
局所的脂肪減少目的医療機器(※1)医療機関での注射治療(脂肪溶解など)
  • (※1)HIFU: 高密度焦点式超音波。脂肪溶解を目的として行われる。

体重を減らすための薬は、ほとんどが食欲減退や満腹感の持続作用を持つ糖尿病治療薬です。自宅で使用できるため試しやすく、近年話題になっているダイエットです。以下では、体重減少目的の「飲み薬」によるメディカルダイエットについて解説します。

当院処方のメディカルダイエット飲み薬の概要

〔薬剤比較〕

ダイエットの種類 薬剤種類「薬剤名」 体重減少メカニズムの違い

SGLT2阻害薬ダイエット

SGLT2阻害薬「ルセフィ」

詳しくは→(※3)

ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)は2型糖尿病の治療薬で、「SGLT2阻害薬」という種類の薬に分類されます。

〈糖質カット作用〉

ルセフィは2型糖尿病の治療薬ですが、過剰な糖を尿中に排泄する作用をもつことから、メディカルダイエット治療にも応用されています。ルセフィを服用すれば、食事から摂取した糖が尿と一緒に排出されるため、実質的に糖質制限をしている状態といえます。そのため、食事を極端に減らさなくても体重減少効果が期待できます。

GLP-1ダイエット

GLP-1製剤「リベルサス」

詳しくは→(※1)

リベルサスは、有効成分セマグルチド(GLP-1受容体作動薬)が、食後のインスリン分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制し血糖値を調整する経口の薬剤です。リベルサスは、主に3つの効果による体重減少効果が期待できるため、メディカルダイエット治療にも応用されています。

〈食欲を抑制作用〉

リベルサスは、視床下部の満腹中枢に作用し、食欲を抑制し、食事量が自然に減少し、体重減少が期待されます。さらに、胃の蠕動運動を抑制することで、食べ過ぎ防止効果も期待できます。

〈満腹感持続作用〉

リベルサスは、胃腸の働きを抑制することで、少量の食事でも満腹感を感じやすくします。これにより、食事量を減らしつつも満足感を得ることができダイエットが継続しやすくなります。また、食後の血糖値の急激な上昇を防ぎ、満腹感を長時間維持する効果に期待できます。これにより食事の間隔が長くなり、食べ過ぎを防ぐことができます。

〈基礎代謝(脂肪燃焼)促進作用〉

リベルサスは、褐色脂肪細胞に作用し、基礎代謝(脂肪燃焼)を促進させる効果を期待できます。リベルサスによって褐色脂肪細胞の活性が高まり、カロリーを燃焼しやすい体質へと改善され、体重減少を促進します。

食欲抑制剤ダイエット

食欲抑制剤「サノレックス」

詳しくは→(※4)

サノレックスは、食欲抑制剤(中枢神経作用薬)で、短期集中で肥満治療したい場合に処方されることが多い薬剤です。長期服用による依存性懸念があるため3ヵ月服用、6ヵ月休薬となります。

〈食欲抑制作用〉

サノレックスは中枢神経に作用し、食欲を抑制することで摂取カロリーを減少させます。

〈満腹感持続作用〉

ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の再取り込みを阻害し、満腹感を持続させる効果があります。

〔服用目的による薬剤比較例〕

服用目的薬剤例
リバウンドも考慮した長期継続的ダイエットリベルサス、ルセフィ
短期的にダイエット3ヵ月以内服用でサノレックス
空腹等のストレスないダイエット体重減少作用が多いリベルサス
穏やかな効果でのダイエットルセフィ

SGLT2阻害薬ダイエット

SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬とは、腎臓に働きかけて糖の再吸収(SGLTという輸送体が腎臓の近位尿細管でほぼ全てのブドウ糖を細胞の中に再度取り込むこと)を阻害することで、血液の中の余っている糖を尿中に排出させて血糖値を下げる薬です。

ルセフィ

ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン水和物)とは、2型糖尿病として適応が認められている「SGLT2阻害薬」の一種です。ルセフィは、腎臓からブドウ糖を排泄するお薬で体内でエネルギーとして使われず残った糖を尿といっしょに排泄させる作用があります。ルセフィには2.5mgと5mgの2種類の用量があります。剤形には錠剤と水なしで服用可能なODAフィルムがあります。

ルセフィの穏やかな作用

ルセフィは、腎臓の近位尿細管でグルコース(糖)の再吸収を担うナトリウム-グルコース共輸送体2(sodium glucose cotransporter 2: SGLT2)の活性を選択的に阻害し、血中の過剰なグルコースを尿中に排泄させて血糖値を低下させる薬剤です。インスリン分泌を介さずに高血糖を是正するため、インスリンの作用に起因する副作用の心配が少なく、膵臓のβ細胞へ負担をかけずに長期的な血糖コントロールが期待できます。

ルセフィのダイエット効果の試算

ルセフィは、血液の中の余っている糖を尿中に排出させて血糖値を下げる作用により糖質ダイエットと同様の作用があるされています。1日におよそ100gのブドウ糖、つまり400kcalを体の外に出す作用があります。糖尿病患者様にSGLT2阻害薬を使用した場合、1日あたり約400kcalのグルコースが排出されるため、SGLT2阻害薬には、体重を減少させる効果もあります。脂肪組織1kgはおよそ7000kcalのエネルギーを保持しています。SGLT2阻害薬を服用して仮に1日100gのブドウ糖が排泄されるとすると、ブドウ糖は1gが4kcalですので、1日に100g✕4kcal=400kcal、1ヶ月で400kcal✕30日=12,000kcalのカロリー減で、すべてが脂肪組織の減少につながると仮定して、体重は12,000kcal÷7,000kcal≒1.7kg減る計算になります。糖尿病患者様がルセフィを服用すると、数ヶ月で2〜3kgの体重が減少する例が多いとされています。

ルセフィとリベルサス併用によるダイエット効果の向上

ルセフィとリベルサスの体重減少メカニズムの違い

ルセフィとリベルサスは、下記の表にあるように、服用の効果は体重減少効果で同じですが、体重減少に至るメカニズムが違います。

薬剤体重減少メカニズム
ルセフィ尿への血中糖分排出促進による糖質カット作用→体重減少
リベルサス食欲抑制作用+満腹感持続作用+基礎代謝促進作用→体重減少

ダイエット効果の向上

ルセフィとリベルサスは、体重減少をもたらす作用が違います。したがって、ルセフィとリベルサスを併用することで、より多くの体重減少作用を期待できるため、より効率的な体重減少=ダイエット効果が期待できます。

ルセフィ服用
糖質カット作用
体重減少期待

リベルサス服用
食欲抑制・満腹感持続・基礎代謝促進作用
体重減少期待

ルセフィとリベルサス
併用服用

糖質カット作用
+食欲抑制・満腹感
持続・基礎代謝促進作用

体重減少効果向上期待

ルセフィとリベルサスの併用の場合、血糖値が必要以上に下がる懸念があるため、医師の指導のもとでの併用が必要です。

〔ルセフィによるダイエット効果が不十分の場合の処方例〕

〈ルセフィとリベルサス併用の基本〉

医師の指導の下で服用することが必須です。ルセフィ単独でダイエット効果が不十分と感じる場合または更にダイエット効果向上を望む場合には、ルセフィよりもダイエット作用が多様なリベルサスへの薬剤切り替えの選択肢があります。リベルサス服用後1~2ヵ月でダイエット効果が感じられるも、3~6ヵ月後に停滞期が発現する場合があります。そうした場合に、ダイエット作用がリベルサスと異なるルセフィを併用すると、ダイエット効果を加速する効果が期待できます。

〈リベルサスの併用〉

ルセフィでダイエット効果が不十分な場合には、医師と相談の上で、リベルサス3mgからの併用でダイエット効果向上も選択肢としてあります。なお、リベルサスには、用量3mg、7mg、14mgがあります。

ルセフィの入手方法・服用方法について

大正製薬とノバルティスファーマの販売提携終了

2019年12月にルセフィを製造販売していた大正製薬とノバルティスファーマ社の提携が終了しました。(※5)しかし、2020年1月からは大正製薬が単独でルセフィ錠の販売を続けています。大正製薬は製造体制を整え、安定した供給を維持しています。ルセフィは長期的に安定して利用できる状況ですのでご安心ください。

当院での入手方法・服用方法等

用量2.5mgのみ
純日本製10錠シート単位で3,900円(1錠当り390円
初診・再診料0円
入手方法 来院診療またはオンライン診療で入手可能。
診療は5分程度で来院不要のオンライン診療(※2)がお勧めです。
送料オンライン診療は、原則、日本全国、無料(※2)
服用方法
(※3)

〔使用量および回数 飲む量〕

症状などに合わせて、医師が決めます。

〈成人の飲む量および回数〉

・ルセフィ錠2.5mg: 通常1日1錠、最大2錠

・1日1回朝食前または朝食後に服用

〈飲み方〉

・コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。

〔飲み忘れた場合の対応〕

決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、できるだけ早く飲み忘れた分(1回分)を飲んでください。ただし、次に飲むまでの時間が近い場合は飲み忘れた分をとばして、次の時間(翌日)に1回分を飲んでください。

生産国純日本製

ルセフィのジェネリック薬

ルセフィのジェネリック医薬品は日本で販売されていません。ジェネリック医薬品の開発情報などもないため先発薬のみ利用可能です。

ルセフィの副作用 (※2)

ルセフィなどのSGLT2阻害薬は従来の作用メカニズムとは異なる糖尿病治療薬であるため、低血糖など糖尿病治療薬全般に共通するものに加えて、性器・尿路感染症などの特有の副作用も報告されています。なお、「インスリンに依存ぜず、過剰な尿糖の再吸収を抑えて、尿中への排泄量を増やす」という薬の特性上、他の薬に比べて、低血糖を起こしにくいと言われています。ご不安がある場合には、医師にご相談ください。副作用(※2)に関しての注意点は、日本糖尿病学会から詳しい報告(※6)があります。主な副作用は以下のとおりです。

副作用解説
低血糖 糖質カット作用により低血糖の懸念があります。お腹がすく、冷汗が出る、血の気が引く、疲れやすい、手足のふるえ、けいれん、意識の低下等の症状が発現する懸念があります。
頻尿 尿糖が増えると尿量が増え、頻尿になる場合があります。
性器・尿路
感染症
薬の作用で尿中に細菌の栄養となる糖が多く排泄されるため感染リスクが上がるとされています。女性での報告が多く、男性でも報告されています。排尿時の痛みなどを認めたら、主治医と相談しましょう。
脱水 糖分が尿中に多く排泄されることにより、尿の浸透圧が上がり、利尿薬と同様の作用があります。風邪で熱が出たり水分がとれなかったりする時や、夏期など汗を多く各時期には脱水に注意する必要があります。喉が渇いたり、汗が治療に出た時には適度な水分補給を心がける必要があります。
ケトアシドーシス ケトアシドーシスは、血中にケトンと呼ばれる物質が増える病気です。血糖値が下がると脂肪以外に筋肉が分解される場合もあり、筋肉が分解される過程でケトンが発生します。全身がだるくなったり、気持ち悪くなったり、吐き気などの症状があらわれた場合は、すぐに医師にご相談ください。