バイアグラの偽物の見分け方は？服用する危険性や正規品の入手方法も

バイアグラの偽物の見分け方

医師は以下のことをチェックして、バイアグラが本物か偽物かを見分けます。

これらはあくまで、医師が判断するときの基準です。

精巧に再現しているバイアグラの偽物もあるため、素人が確認しても正確な判断は難しく、本物と誤認してしまうケースもあります。また、そもそも手元に本物を用意しないと比べられません。

以上を踏まえたうえで、順番にチェックしていきましょう。

【医師からのコメント】

バイアグラの偽造品は、本物と区別がつかないほど精巧に作られているものも珍しくありません。

そのため、我々医師が見ても薬剤が本物か偽物かを判断することが難しいケースもあります。

パッケージを確認する

印刷がずれている、スペルミスがあるなど、パッケージに明らかに違和感があるものは偽物といえます。

外側･内側のパッケージに記載されている製造日と有効期限が一致しているかどうかなどもチェックします。

とはいえ、パッケージを見ても正規品となんら変わりない精巧な偽物もあり、この場合はパッケージだけでは判断できません。あくまで判断材料の一つです。

錠剤の刻印を確認する

バイアグラの偽物は、「phizer」のスペルが間違っている、刻印の形が違っているなどの事例が報告されています。

これは、偽物の製造業者が安価な費用で製造しようとした結果でしょう。

ただし、ロゴを精巧に再現している偽物の場合はパッと見ただけでは本物との区別がつきません。

錠剤表面の色を確認する

バイアグラの本物は薄い青色ですが、偽物はこれより薄い・濃いなどが報告されています。

比べるとわかりやすいですが、本物と偽物の両方が手元になければ見分けるのは至難の業です。

錠剤断面の色を確認する

本物のバイアグラは錠剤断面が真っ白ですが、偽物は濁っているとの報告があります。

ただし、錠剤断面の色まで再現した精巧な偽物の場合は割ってみても区別がつきません。

錠剤の大きさを確認する

【25mg】

【50mg】

画像引用：添付文書｜バイアグラ

日本に流通しているバイアグラ（25mg・50mg）のサイズは以下のとおりです。

※参考：添付文書｜バイアグラ

偽物のバイアグラの場合は上記サイズと一致しないケースが報告されています。

水への溶け方を確認する

本物のバイアグラは、水に入れてみると30分程度で固体部分が失われますが、偽物のバイアグラはなかなか溶けないとの報告があります。

水への溶け方に明らかに違いが出るバイアグラは偽物といえるでしょう。

インターネット上に流通しているED治療薬の約4割が偽物

インターネット上に流通しているED治療薬の約4割が偽物（※1）だといわれており、厚生労働省も注意喚起を行っています（※2）。

これだけ偽物が出回っているため、ネット通販（個人輸入）には手を出さないことを強く推奨します。

昨今はオンライン診療が普及しているため、時間がない方や人目が気になる方は、オンライン診療の利用を検討してみてください。

オンライン診療なら、スマホ1つで診察からバイアグラの処方までを完了できます。

（※1 参考）ファイザー株式会社/バイエル薬品株式会社/日本製薬株式会社/日本イーライリリー株式会社｜偽造ED治療薬4社合同調査結果
（※2 参考）厚生労働省｜医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

個人が偽物のバイアグラを販売して逮捕された事例も

2023年1月には、個人が偽物のバイアグラを販売したとして女性が逮捕されています（※1）。

容疑は「医薬品医療機器法違反など」です。

組織・個人を問わず、国内にも偽物のバイアグラを販売する悪質な業者が存在することを理解しておきましょう。

そもそもバイアグラは医療機関でしか入手できない薬です。

「バイアグラを安く売ってあげる」という声には絶対に乗らないでください。

【医師からのコメント】

バイアグラの知名度や需要につけこみ、偽物を不正に販売する業者が後を絶ちません。

ネット上で販売されているバイアグラの半数近くは偽物であるという報告もありますので、必ずクリニックで医師の処方を受けるようにしましょう。

（※1 参考）産経新聞｜偽バイアグラ販売疑い６０歳女逮捕

偽物のバイアグラを服用する危険性

ここからは、偽物のバイアグラを服用する危険性を確認していきましょう。

それぞれ解説していきます。

死亡に至る危険性がある

偽造のED治療薬を飲んで死に至った事例は国内外で報告されています。

シンガポールでは、偽物のED治療薬の服用により150名が重症低血糖で入院し、うち7人が脳死状態、4人が死亡したことが報告されています（※1）。

国内では、呼吸困難等で病院に搬送されて死亡に至った男性の衣服から、偽物のED治療薬がみつかりました（※2）。偽造のED治療薬との因果関係は明らかではないものの、偽物のED治療薬に有害な物質が含まれていた可能性も否定できません。

最悪の事態を避けるためにも、バイアグラの偽物には十分に注意しましょう。

（※1 参考）出雲博子ほか, 糖尿病 54（12）：906-909, 2011
（※2 参考）厚生労働省｜模造医薬品による健康被害に対する注意喚起について（第２報）

重篤な副作用が出ても国の救済制度の対象とならない

偽物のバイアグラを服用して重篤な副作用が生じても、国の救済制度「医薬品副作用被害救済制度」は利用できません。

医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品の副作用で入院が必要なほど危篤な健康被害が生じた場合、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です（※1）。

この制度を利用できるのは、正規の薬を正しく服用した時に限ります。非正規ルートで入手した医薬品による健康被害については救済対象となりません。

（※1 参考）医薬品医療機器総合機構｜医薬品副作用被害救済制度

効果がまったく出ない可能性がある

有効成分を含有しない錠剤を製造し、それをバイアグラと謳って輸出するケースもあります。

有効成分が含まれていなければ、当然効果も出ません。

安いからといって通販サイトを利用してバイアグラを入手した結果、お金が無駄になってしまう可能性もあります。

バイアグラの偽物を手にしないためには？必ず医療機関で購入を

バイアグラは必ず医療機関で購入しましょう。

医療機関であれば偽物の心配はなく、正規品のバイアグラを処方してもらえます。

今はオンライン診療もあるので、わざわざリスクの高い通販を使う必要はありません。

医療機関は安全に服用できるかを診察してもらえる点もメリットです。

【まとめ】バイアグラの偽物に注意

バイアグラは医療機関で正規品を購入しましょう。

通販サイトでバイアグラを購入した場合、偽物が届く可能性があります。

購入したバイアグラが偽物だった場合、効果がないだけならまだしも、重大な健康被害が発生する恐れがあります。

今は通院せずともバイアグラを処方してもらえる時代ですので、バイアグラが気になっている方はお気軽にお問い合わせください。