リベルサスとメトホルミンの違いは?ダイエット目的ならどっちがいい?
更新日:2024年07月01日 公開日:2024年07月01日

「リベルサスとメトホルミンって何が違うの?」
「ダイエットするなら、リベルサスとメトホルミンどっちがおすすめ?」
リベルサスとメトホルミンはどちらも血糖値を下げる薬なので、どう違うのかわからない人もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、リベルサスは短期間でダイエット効果を得たい人に向いており、メトホルミンはゆっくりと体重を落としたい人におすすめの薬です。
今回はリベルサスとメトホルミンの違いを解説します。医療ダイエットを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
※当院ではリベルサスの処方を行っていますが、メトホルミンは取り扱っていません。
※当院で取り扱うリベルサスは2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に認可されているものの、肥満治療目的では認可されていません。当院では、医師の慎重な判断のもと、希望される患者様のみに処方しております。
※当院で取り扱うリベルサスの副作用や法的記載事項についてはこちらのページをご覧ください。
この記事の監修者

リベルサスとは?食欲を抑え消化をゆっくりにする
リベルサスは、2型糖尿病治療のために開発された経口GLP-1受容体作動薬です(※1)。デンマークの製薬会社ノボノルディスクによって開発されました。
食欲を抑える効果があることから、ダイエット目的でも注目されている薬です。海外では、高度肥満症の治療薬としても承認を受けています。
日本では肥満症治療においてリベルサスは承認されていませんが、同じ有効成分のウゴービは肥満症の治療薬として厚生労働省の承認を受けています。
(※1 参考)医薬品医療機器情報提供ホームページ(PMDA)|リベルサス錠3mg /リベルサス錠7mg /リベルサス錠14mg
メトホルミンとは?糖の生成・吸収を抑える
メトホルミンは、2型糖尿病の治療に広く用いられる経口血糖降下薬です(※1)。2型糖尿病の治療において60年以上の使用実績があり、現在も世界中で使用されています。
糖尿病の治療薬ですが、血糖値の上昇を抑えることで体重を減少させる効果が期待できるとして、ダイエット目的での利用も注目されています。
(※1 参考)一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)|メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「日医工」/メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「日医工」
リベルサスとメトホルミンの違い
リベルサスとメトホルミンはどちらも2型糖尿病の治療薬ですが、以下のような違いがあります。
リベルサス | メトホルミン | |
---|---|---|
薬の種類 | GLP-1受容体作動薬 | ビグアナイド薬 |
有効成分 | セマグルチド | メトホルミン |
作用のメカニズム | 脳の視床下部に働きかけることで食欲を抑える。 胃腸の動きを緩やかにし空腹感を持続させる。(※1) |
肝臓での糖の生成や消化管からの糖の吸収を抑える。 |
体重減少の効果 | 5ヶ月で平均10.6%減少(※2) | 1年で平均1.3kg減少(※3) |
用法用量 | 1日1回起床時(空腹時)に120ml以下の水で服用 | 500mgを1日2〜3回に分けて食後に服用 |
一般的な副作用 | 胃腸障害(悪心、下痢、便秘など) | 胃腸障害(下痢、悪心、腹痛、嘔吐など) |
重大な副作用 | ・低血糖 ・急性すい炎 ・胆嚢炎 |
・乳酸アシドーシス ・低血糖 ・肝機能障害 ・横紋筋融解症 |
費用相場 (30日分) |
3mg:8,000〜10,000円 7mg:15,000〜20,000円 14mg:25,000〜30,000円 |
500mg(250✕60錠):3,000〜4,000円 |
リベルサスとメトホルミンの違いについて、詳しく解説します。
【医師からのコメント】
(※1 参考)日本糖尿病学会誌第60巻第9号|3.GLP-1 受容体作動薬の体重減少効果
(※2 参考)JAMA. 2021 Apr 13; 325(14): 1–12.|Effect of Continued Weekly Subcutaneous Semaglutide vs Placebo on Weight Loss Maintenance in Adults With Overweight or Obesity
(※3 参考)jstage|2 型糖尿病治療におけるメトホルミンの 使用実態に関する観察研究(MORE study)
作用のメカニズム
リベルサス | 脳の視床下部に働きかけることで食欲を抑える。 胃腸の動きを緩やかにし満腹感を持続させる。(※1) |
---|---|
メトホルミン | 肝臓での糖の生成や消化管からの糖の吸収を抑える。 |
リベルサスは食欲を抑え、満腹感を持続させることで無理なく食事量を減らせるため、ダイエット効果が期待できます。
メトホルミンでは、主に糖の生成や吸収を抑えることで血糖値をコントロールし、体重の減少効果を得ているといわれています。
いずれもダイエット目的で開発された薬ではありませんが、服用によって体重減少の効果がみられたことから、ダイエット目的でも使用されるようになりました。
(※1 参考)日本糖尿病学会誌第60巻第9号|3.GLP-1 受容体作動薬の体重減少効果
臨床試験に基づく体重減少の効果
リベルサス | 5ヶ月で平均10.6%減少(※1) |
---|---|
メトホルミン | 1年で平均1.3kg減少(※2) |
リベルサスの有効成分である「セマグルチド」の皮下注射を1週に1回、20週間(5ヶ月間)続けたところ、平均で10.6%体重が減ったという臨床試験があります。
個人差はありますが、例えば65kgの人は5ヶ月間でおよそ7kgの体重減を目標とできる計算です。
一方でメトホルミンの内服を1年続けた場合、体重は平均1.3kg減少するという試験結果があります。
短期間でダイエット効果を出したい人にはリベルサス、ゆっくり体重を落としたい人にはメトホルミンがおすすめです。
(※1 参考)JAMA. 2021 Apr 13; 325(14): 1–12.|Effect of Continued Weekly Subcutaneous Semaglutide vs Placebo on Weight Loss Maintenance in Adults With Overweight or Obesity
(※2 参考)jstage|2 型糖尿病治療におけるメトホルミンの使用実態に関する観察研究(MORE study)
用法用量
リベルサス | 1日1回起床時(空腹時)に120ml以下の水で服用 |
---|---|
メトホルミン | 500mgを1日2〜3回に分けて食後に服用 |
リベルサスは1日1回、メトホルミンは1日2〜3回の服用が必要です。内服の手間を減らしたい人はリベルサスを選ぶとよいでしょう。
ただしリベルサスは起床時に服用する必要があり、内服後は30分の絶飲食となるため、朝に余裕をもった生活スタイルをとる必要があります。
一般的な副作用
リベルサス | ・悪心 ・下痢 ・便秘 など |
---|---|
メトホルミン | ・下痢 ・悪心 ・腹痛 ・嘔吐 など |
リベルサスやメトホルミンでの主な副作用は胃腸障害です。とくにメトホルミンでは胃腸障害の発現頻度が高く、下痢の発現率は40.5%と報告されています(※1)。
リベルサスでも胃腸障害はみられますが、メトホルミンに比べると発現頻度は高くありません。また、しばらく服用を続けると症状は改善されるといわれています。
(※1 参考)一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)|メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「日医工」/メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「日医工」
重大な副作用
リベルサス | ・低血糖 ・急性すい炎 ・胆嚢炎 |
---|---|
メトホルミン | ・乳酸アシドーシス ・低血糖 ・肝機能障害 ・横紋筋融解症 |
リベルサスとメトホルミンはどちらも血糖を下げる薬なので、低血糖に注意が必要です。もし冷や汗やめまいなどが出たら、応急処置としてジュースやラムネなどで糖分を摂取してください。
次回の使用は中止し、医師への相談が必要です。
またリベルサスの服用後に激しい腹痛、メトホルミンの服用後に倦怠感や黄疸などの症状が現れた場合は、すぐに病院を受診しましょう。
費用相場
リベルサス | 3mg:8,000〜10,000円/月 7mg:15,000〜20,000円/月 14mg:25,000〜30,000円/月 |
---|---|
メトホルミン | 500mg(250mgを1日2錠):3,000〜4,000円/月 |
30日分の費用相場は上記の通りです。
リベルサスには3つの用量があり、用量が上がると費用も高くなります。リベルサスは3mgから処方が開始されるため、最初の1ヶ月は8,000〜10,000円ほどと考えましょう。
メトホルミンは250mgを1日2錠服用する場合、3,000〜4,000円ほどかかります。
1ヶ月あたりの費用を抑えたい場合は、メトホルミンがおすすめです。
リベルサスとメトホルミンはどっちがいい?
リベルサスとメトホルミンのどちらが向いているかは目的にもよりますが、それぞれ以下のような人におすすめです。
リベルサス | ・短期間でダイエット効果を得たい人 ・食事制限に失敗しがちな人 ・激しい運動が苦手な人 |
---|---|
メトホルミン | ・ゆっくり体重を落としたい人 ・費用を抑えたい人 |
リベルサスは短期間で体重を落としたい人におすすめです。食欲が抑えられるため無理な食事制限は必要なく、激しい運動も必要ありません。
一方でメトホルミンは費用を抑えてゆっくりと痩せたい人に向いています。
それぞれの特徴を知り、自分に合ったほうを選びましょう。
【医師からのコメント】

一方でリベルサスは米国においては肥満治療薬として承認されているお薬であり、ダイエット効果がより高いお薬ですので、効果を重視するのであればリベルサスのほうがいいでしょう。
リベルサスとメトホルミンに関するよくある質問
リベルサスとメトホルミンに関するよくある質問をまとめました。
Q.リベルサスとメトホルミンはどちらが痩せますか?
個人差はありますが、臨床試験の結果ではリベルサスのほうがダイエット効果が高いです。
メトホルミンが1年に1.3kgほど減少するのに対し、リベルサスは5ヶ月で元の体重の10.6%ほど減少します。例えば体重65kgある場合、リベルサスなら5ヶ月で約7kg減を目標とできます。
より高いダイエット効果を求める場合は、リベルサスがおすすめです。
Q.リベルサスとメトホルミンを同時に飲むのは危険ですか?
リベルサスとメトホルミンは併用禁止ではありません。より高いダイエット効果を求める場合は、併用することもあります。
ただし、低血糖の副作用が強まる恐れがあるため注意が必要です。
必ず医師と相談し、体調に合わせて服用しましょう。
Q.メトホルミンで痩せない場合、リベルサスに切り替えることでダイエット効果は期待できますか?
メトホルミンで痩せない場合、リベルサスに切り替えることでダイエット効果が現れる可能性はあります。
通常、メトホルミンよりもリベルサスのほうがダイエット効果が高いです。
メトホルミンでダイエット効果が感じられない場合は、リベルサスも検討してみましょう。
Q.リベルサスとメトホルミンはどちらが安全ですか?
リベルサスとメトホルミンはどちらも肥満治療の目的では国内で承認を受けておらず、安全性の優劣を比較したデータはありません。
まとめ
リベルサスとメトホルミンはどちらも糖尿病の治療薬ですが、ダイエット薬としても注目を集めています。
短期間でダイエット効果を得たい人はリベルサス、費用を抑えゆっくりとダイエットしたい人にはメトホルミンがおすすめです。
当院はオンライン診療でリベルサスを処方していますので、医療ダイエットを検討中の方はぜひご相談ください。
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ただしメトホルミンには、インスリンの分泌を促進する作用はありません。そのため、メトホルミンのほうが効果が出るまでに時間がかかることが多いです。