ゼニカルの油漏れは防げる?原因と対策、洗濯方法についても解説

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更新日:2024年08月27日 公開日:2024年08月27日

この記事の監修者はユナイテッドクリニックの細田 淳英です。
ゼニカルの油漏れは防げる?原因と対策、洗濯方法についても解説
「ゼニカルの油漏れで下着が汚れてしまう」
「油漏れを防ぐ方法はないの?」

ゼニカルは食事中に摂取した脂肪の吸収を抑え、そのまま体外に排出することでダイエットをサポートする薬です。

しかし、「油漏れ」と呼ばれる不快な副作用に悩む方も少なくありません。

この記事では、ゼニカルの油漏れの原因と対策について解説します。

汚れてしまった衣類の洗濯方法や、ゼニカル以外のダイエット薬(リベルサス)も紹介しています。ぜひ最後まで読み、油漏れによる不快感を軽減しましょう。

※ユナイテッドクリニックではゼニカルを取り扱っていません。

この記事の監修者

ユナイテッドクリニック総医院長

細田 淳英

【経歴】

平成15年3月 帝京大学医学部卒業
平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院

ゼニカルを服用すると生じる油漏れとは?油が肛門から漏れ出す副作用


「油漏れ」とは、ゼニカルを服用した際に、摂取した食事に含まれる油分が肛門から漏れ出してしまう副作用のことです。

ゼニカルの主成分「オルリスタット」には、食事中の脂肪の吸収を妨げる作用があり、吸収されなかった脂肪は体外に排出されます。

しかし、吸収されなかった脂肪には液状の油分が含まれることが多いため、腹部に圧力がかかったときやオナラをしたときなど、意図しない瞬間に油が漏れやすいのです。

油漏れは汚れや悪臭の原因となるため、十分に対策しないと日常生活で不快な思いをする場合があります。

ゼニカルの油漏れはいつから始まる?翌日から注意が必要


ゼニカルを服用すると、早ければ翌日に油漏れが起こる可能性があります。

脂肪の吸収を抑える作用は服用後すぐに現れますが、食事が胃腸を通り、体外に排出されるまでには12~72時間程度かかるからです。

たとえば、夕食に脂肪分の多い料理を食べ、その後ゼニカルを服用した場合、翌朝以降は油漏れに注意が必要です。

ゼニカルの油漏れはいつまで続く?服用中は常に油断できない


ゼニカルの服用中は、常に油漏れの可能性があります。

ゼニカルの成分が作用している間は、消化された脂肪の一部が吸収されずに便と一緒に排出されるからです。

服用中に排出される便は一部が液状の油分となっており、通常の固形の便と比べて漏れやすくなります。

また、ゼニカルの服用を止めた後も3日程度は油漏れに注意しましょう

服用を止めるとゼニカルの作用はなくなりますが、通常、食べたものが便として排出されるまでに24~72時間程度かかるからです。

ゼニカルを服用しても油漏れしないようにする方法はある?防止は難しい


ゼニカルの油漏れは副作用のため、100%防ぐことは難しいです。

医学的なエビデンスは不十分ですが、キトサンを併用することで油漏れを抑えられる可能性があります。

キトサンはカニやエビなどの甲殻類の殻に含まれる食物繊維の一種です。サプリメントとして薬局やドラッグストア、ネット通販などで市販されています。

キトサンは脂肪と結びつきやすい性質があるため、キトサンが腸内の油分を吸着し、油漏れが起こりにくくなるといわれています。

ただし、100%の防止策となるわけではないためあくまで補助的な対策とし、衣類の汚れ対策を万全にしましょう。

ゼニカルの油漏れ対策

ゼニカル服用中は、以下の油漏れ対策を取り入れましょう。

  • 尿とりパッドや大人用おむつを着用する
  • トイレに長時間行けない環境で服用しない
  • 脂質が少ない食事を摂取する
  • オナラが出そうな場合もトイレに行く
  • 服用中の温泉やプールは避ける

それぞれ、詳しく解説します。

尿とりパッドや大人用おむつを着用する


ゼニカルの服用中は尿とりパッドや大人用おむつを着用することで、油漏れによる衣類への汚れを防げます

外出時や仕事中に不意の油漏れが起こると、服や下着が汚れて恥ずかしい思いをするかもしれません。不安を減らすためにも着用をおすすめします。

また、外出時はすぐに交換できるように予備を持ち歩いておきましょう。油漏れが起きた際に交換すれば、長時間の外出でも清潔な状態を保てます。

トイレに長時間行けない環境で服用しない


1~3日以内にトイレに長時間行けない状況が予測される場合は、ゼニカルを服用しないことをおすすめします。

ゼニカルの作用で、服用中は排便回数が増える傾向にあるからです。また、トイレが近くにない場所で油漏れが発生すると、長時間不衛生な状態で過ごすことになります。

たとえば、近日中に離席できない会議や長時間の移動の予定がある場合は、服用を避けるべきでしょう。

どうしても避けられない場合は、尿とりパッドや大人用おむつを着用し、万全の対策を取ることをおすすめします。

脂質が少ない食事を摂取する


ゼニカルの油漏れを抑えたい場合は、極力脂質の少ない食事を選ぶようにしましょう。

食事に含まれる脂質が多いと、便に含まれる油分が増え、油漏れが起こりやすくなります。

野菜中心の食事や、脂肪分の少ないたんぱく質(鶏むね肉や魚など)を取り入れるとよいでしょう。

また、調理法を工夫することも大切です。揚げ物やバターを使った料理よりも、蒸す、焼くなどの調理法を選ぶことで、油漏れを抑えられます。

オナラが出そうな場合もトイレに行く

ゼニカルの服用中は、オナラが出そうな感覚がある時点で早めにトイレに行くことを心がけましょう。

油漏れはオナラと同時に起こりやすいからです。トイレに行かずにオナラをすると、予期せぬ油漏れで服や下着を汚してしまう可能性があります。

外出中や仕事中はトイレに行きにくい状況もありますが、あとで恥ずかしい思いをしないためにも、早めにトイレに行くことをおすすめします。

服用中の温泉やプールは避ける

ゼニカル服用中は、温泉やプールなどの利用は避けたほうがよいでしょう。

おむつの着用による対策が難しく、施設の水や浴槽を汚してしまう可能性があるからです。

万が一温泉の浴槽内やプールで油漏れが起こると、ほかの利用者に迷惑がかかり、トラブルに発展する可能性もあります。

また、自宅のお風呂でも油漏れのリスクがあるため、頻繁に油漏れが起こる方はゼニカル服用中の入浴は避け、シャワーのみで済ませるのが無難です。

ゼニカルの油漏れでトイレの便器が汚れてしまう場合の対策


ゼニカルの服用中はトイレが油で汚れやすいため、以下の対策で汚れを防ぎましょう。

対策 効果
トイレットペーパーを便器の水面に浮かべる 便器に直接付着する油を減らす
便座カバーや便座シートを利用する 便座周りの汚れを防ぐ
便を出すタイミングと同時に水を流す 油が便器に付着する前に流し去り、便器が汚れにくくなる

上記の対策を実践することで、油漏れによるトイレの汚れを防ぎ、掃除の手間を減らせます。

ゼニカルの油漏れで汚れた服や下着の洗濯方法


ゼニカルの油漏れによって汚れた服や下着は、なるべくすぐに洗うことが大切です。

すぐに洗うことで油が繊維に染み込むのを防ぎ、汚れが落ちやすくなります。

すぐに洗える状況の場合は、まず汚れた部分に直接洗剤を塗り、軽く揉み洗いをしましょう。その後は洗濯機で通常どおり洗濯すれば、汚れがしっかり落ちます。

一方、油漏れから時間が経って汚れが固まってしまった場合は、揉み洗いの前にクレンジングオイルで油を分解することが大切です。

クレンジングオイルがない場合は、酸素系漂白剤や重曹を溶かしたお湯(40~50℃程度)に2時間程度つけおくと、油汚れが落ちやすくなります

ゼニカルの油漏れ以外の副作用

ゼニカルは油漏れ以外にも、以下の副作用が報告されています。

  • 胃腸障害(下痢、腹痛、胃の不快感など)
  • オナラの増加
  • 排便回数の増加
  • 脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)欠乏症

(※1)

上記の副作用は、ゼニカルの脂肪の吸収を抑える作用によって起こるものです。

症状は軽く一時的なことがほとんどですが、症状が重い場合や長く続く場合は服用を中止し、医師に相談してください。

(※1 参考)辻正富、斉藤宣彦、井上修二|消化吸収阻害系薬物

油漏れが心配ならゼニカルではなくリベルサスを検討しよう

リベルサス
油漏れの副作用が気になる方はリベルサスを検討してみてはいかがでしょうか。

ゼニカルはダイエットに効果的ですが、脂肪の吸収を抑えるため、油漏れを100%防ぐことは難しいです。

一方、リベルサスは異なるアプローチのダイエット薬で、脂肪の吸収には直接作用しないため、油漏れの心配は一切ありません

リベルサスはGLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬で、食欲を抑える作用があり、自然と食事量が減るため無理なく痩せられます。

なお、当院ではオンライン診療でリベルサスを処方しています。医療ダイエットを検討中の方、ゼニカルの油漏れが気になる方はぜひご相談ください。

【医師からのコメント】

リベルサスは食欲を抑制することでダイエット効果をもたらすお薬です。一方、ゼニカルは体内への脂肪の吸収を阻害することで体重を落とすお薬のため、油漏れを完全に防ぐことは困難です。

ゼニカルと異なりリベルサスは油漏れを起こすことはありませんので、ゼニカルの副作用が気になる方はリベルサスを検討してみてください。

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まとめ


ゼニカルは脂肪の吸収を抑えるため、吸収されなかった脂肪が肛門から漏れ出す「油漏れ」が起こる可能性があります。

便意がなくても油が漏れることがあるため、おむつの着用や入浴施設を避けるなどの対策は必須です。

油漏れが気になる場合は、ゼニカルの代替薬としてリベルサスを検討しましょう。リベルサスなら脂肪の吸収に影響を与えないため、油漏れの心配がありません。

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