ED診断テストでセルフチェック!基準や初期に現れるサインも紹介
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公開日:2023年08月31日更新日:2024年03月10日
ED(勃起不全)は男性特有の悩みです。
「最近、勃起力が衰えてきた気がするけど、EDに該当するのかな?」
「自分が本当にEDかどうか知りたいけど、なかなか相談できない」
という方も多いでしょう。
実は自分がEDかどうかは、簡単な診断テストでセルフチェックできます。
今回は、1分で手軽に行えるED診断テストをご紹介します。
EDがどれくらい進行しているかを知れるため、これからEDとどう向き合って行くべきか、病院に行くべきかどうかがわかりますよ。
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この記事の監修者
ユナイテッドクリニック総医院長
細田 淳英
【経歴】
平成15年3月 帝京大学医学部卒業平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院
目次
【1分でわかる】ED診断テストでEDをセルフチェックしよう
IIEF(国際勃起機能スコア)に基づいた簡単な質問に答えて、自身がEDかどうかをセルフチェックしてみましょう。
今から6ヶ月前までを振り返り、以下の質問に回答(点数を集計)してください。
1.勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか?
- 非常に低い
- 低い
- 中くらい
- 高い
- 非常に高い
2.性的刺激によって勃起した時、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか?
- 性的刺激はなかった
- ほとんど、又は全くならなかった
- たまになった(半分よりかなり低い頻度)
- 時々なった(ほぼ半分の頻度)
- しばしばなった(半分よりかなり高い頻度)
- ほぼいつも、又はいつもなった
3.性交の際、挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか?
- 性交を試みなかった
- ほとんど、又は全く維持できなかった
- たまに維持できた(半分よりかなり低い頻度)
- 時々維持できた(ほぼ半分の頻度)
- しばしば維持できた(半分よりかなり高い頻度)
- ほぼいつも、又はいつも維持できた
4.性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか?
- 性交を試みなかった
- 極めて困難だった
- とても困難だった
- 困難だった
- やや困難だった
- 困難でなかった
5.性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか?
- 性交を試みなかった
- ほとんど、又は全く満足できなかった
- たまに満足できた(半分よりかなり低い頻度)
- 時々満足できた(ほぼ半分の頻度)
- しばしば満足できた(半分よりかなり高い頻度)
- ほぼいつも、又はいつも満足できた
合計点からEDの重症度がわかります。
合計点 | EDの重症度 |
---|---|
1~4点 | 性交渉の機会がないため判定不可 |
5~7点 | 重度 |
8~11点 | 中等度 |
12~16点 | 軽度~中等度 |
17~21点 | 軽度 |
22~25点 | EDなし |
※1
上記のセルフチェックは、SHIM(Sexual Health Inventory for Men:男性用性健康調査票)として実際の問診でも使用されています。
【医師からのコメント】
(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン
EDは勃起時の硬さでもセルフチェックできる
前述の診断テストの回答以外に、勃起時の硬さでもEDのセルフチェックができます。
以下のEHS(Erection Hardness Score:勃起の硬さスケール)において、自分がどのグレードに当てはまるか確認してみましょう(※1)。
グレード1~2は一般的にEDと診断されます。特に性交渉の失敗が増えているようであれば、適切な治療を受けるのがおすすめです。
グレード3以上であれば、性交渉のために必要な勃起力はあるといえるでしょう。
ただし、グレード3の硬さはあるが性行為に失敗する、もしくは途中から硬さがグレード1〜2まで落ちていくような状態であれば、やはりEDの症状が現れている可能性が高いです。
【医師からのコメント】
また、グレード2(みかん)、グレード3(グレープフルーツ)の場合でも、十分な勃起の硬さとまではいえないかもしれません。
ED治療薬の服用で、性行為に必要なグレードの硬さを得ることは十分に可能です。グレード4(りんご)を目指してED治療を行うようにしましょう。
(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン
ED初期に現れるサイン?勃起力や勃起頻度の低下を感じたら要注意
以下のような変化を感じている方は、EDの初期段階に突入しているかもしれません。
- 朝立ちの頻度が減る
- 挿入はできるが途中で萎えてしまう(中折れ)
- 性交を楽しめず満足感が得られない
それぞれ、詳しくみていきましょう。
朝立ちの頻度が減る
ED初期に現れるサインとして、朝立ちの頻度が減ることがあります。
朝立ちは勃起に関わる血管や神経が健康な証です。実際のEDの診断においても、朝立ちの有無は重要な判断材料とされています(※1)。
健康な男性であれば週に数回程度は朝立ちが見られますが、週に1回以下の場合はEDの兆候があるため注意が必要です。
なお、朝立ち(夜間勃起)があるかどうかはスタンプ法で簡易的にチェックすることが可能です。
繋がった切手を陰茎に巻き付けて就寝し、朝起きた際に切れていれば、朝立ち(夜間勃起)が起きていると言えます。
スタンプ法を行う際は1日だけでは結果がブレてしまうため、最低でも3日は連続してチェックしましょう。
(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン
挿入はできるが途中で萎えてしまう(中折れ)
勃起が維持できず挿入中に陰茎が萎えてしまう「中折れ」はEDの症状のひとつです。
中折れは陰茎の血流不足、神経やホルモンの問題、心理的な要因などさまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。
一時的なストレスや疲労によって起こる場合もありますが、中折れが頻繁に起こる場合は早めに医師に相談したほうがよいでしょう。
中折れが頻繁に起こると性的満足感や自信が低下し、EDのさらなる悪化につながる可能性があります。
性交を楽しめず満足感が得られない
性交を楽しめず満足感が得られないことが増えたら、それはEDの始まりかも知れません。
EDになると勃起機能だけでなく、性欲や自信・自己肯定感なども低下する悪循環が起こり、性交に満足感を得ることが難しくなります。
このような状況に陥った場合は恥ずかしがらず、積極的に周囲のサポートを求めることが大切です。
パートナーや医師とのオープンなコミュニケーションが、EDを回復させる第一歩となります。
「EDかも?」と思ったらED治療薬を服用しよう
「ED診療ガイドライン」では、ED治療の第一選択肢としてED治療薬の使用が推奨されています。
ED治療薬は血管を拡張させ、陰茎の血流を増加させることで勃起を促す効果があります。
国内で承認されているED治療薬は以下の3種類です。
バイアグラ
|
レビトラ
|
シアリス
|
|
---|---|---|---|
特徴 | 世界的に知名度のあるED治療薬 | 即効性が高い | 作用時間が長い |
ジェネリックの名称 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
効果が現れるまでにかかる時間 | 30分~1時間 | 15分~30分 | 1~3時間 |
効果の持続時間 | 3~5時間 | 5~8時間 | 30~36時間 |
食事による影響 | 受けやすい (空腹時の服用が推奨される) |
やや受けにくい | 受けにくい |
ただし、ED治療薬はEDを根本的に治すものではなく、服用した時にのみ効果が現れます。
EDの改善には、ED治療薬に加えて生活習慣の改善や心理的な問題の解決、基礎疾患の治療など総合的なアプローチが重要です。
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当てはまる人はEDになりやすい!EDの主なリスクファクター
以下はEDの主なリスクファクター(※)とされているものです。
- 生活習慣病(糖尿病や高血圧など)
- 肥満と運動不足
- 喫煙
- テストステロン量の低下
それぞれ、詳しくみていきましょう。
※リスクファクター:病気の発生リスクを高めたり、悪化させたりする要因のこと
生活習慣病(糖尿病や高血圧など)
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、EDのリスクを増加させると考えられています。
糖尿病は血糖値を下げるインスリンがうまく働かなくなり、高血糖状態が続く病気です。
糖尿病になると高血糖によって陰茎の血管や神経が傷つき、EDを発症するリスクが高まります。
日本人を含むレビューによると、糖尿病患者は健常者よりも10~15年早くEDになると報告されています(※1)。
一方で高血圧は、血圧が通常の範囲を超えて上昇している状態です。高血圧になると血管に負担がかかり、EDの発症リスクが高まります。
男性121,641名を対象としたメタアナリシスによると、高血圧患者は健常者に比べて1.74倍EDになりやすいと報告されています(※2)。
(※1 参考)Erectile dysfunction in diabetes mellitus
(※2 参考)Hypertension might be a risk factor for erectile dysfunction: a meta-analysis
肥満と運動不足
肥満と運動不足はEDのリスクを増加させます。
心血管系の機能が低下し、血液の流れが悪化することで、勃起に必要な血液が不足するからです。
米国の研究によると、肥満(BMIが30kg/m2以上)の人は、普通体型の人(BMIが23kg/m2以下)に比べて1.7倍EDになりやすいと報告されています(※1)。
また肥満と運動不足は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクを高めることも知られています。
(※1 参考)A prospective study of risk factors for erectile dysfunction
喫煙
喫煙はEDのリスクファクターとされています。
喫煙にはニコチンをはじめ多くの化学物質が含まれており、これらの物質が血管を収縮させ、血流を妨げてしまうからです。
28,586名のデータを統合解析したメタアナリシスによると、喫煙者は非喫煙者に比べてEDにかかるリスクが1.51倍高いことが示されています。(※1)。
テストステロン量の低下
「ED診療ガイドライン」では、テストステロン量の低下とEDの関連に一定の見解はないものの、リスクファクターのひとつであると結論付けられています。
テストステロンは性欲向上や勃起促進において重要な役割をもつ男性ホルモンです。
20~30歳をピークに加齢とともに減少していき、テストステロンの量が極端に少なくなると心身に以下のような症状(男性更年期障害)が現れます。
性的機能の症状 | ・ED ・性欲の低下 |
---|---|
身体的症状 | ・筋力や筋量の減少 ・骨密度の低下 ・体脂肪の増加 ・疲労感 など |
精神的症状 | ・抑うつ ・不安 ・イライラ ・集中力の低下 ・自己評価の低下 など |
EDの可能性がある場合は医療機関へ
自分がEDかどうかは、簡単な診断テストによってセルフチェックできます。
しかし、正確な診断や症状の重症度を判断するには医師の専門的な診察が必要です。
性的な問題に対しては不安や恥ずかしさを感じることもあるかもしれませんが、率直に話し合い相談することが、問題解決の第一歩となります。
とくに生活習慣病がある方や肥満の方、喫煙者の方はEDのリスクが高いため、診断テストの結果が軽症であっても早めに医師の診察を受けたほうがよいでしょう。
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ただしこのテストはあくまで目安です。医師の診断の代用とはなりません。
既往歴や生活習慣等を考慮して治療方針を決定する必要がありますので、ED症状が気になる方は専門のクリニックを受診して正確な診断を受けるようにしましょう。