バイアグラが血圧に与える影響とは?メカニズムや注意すべき血圧の薬について解説

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公開日:2024年04月29日 更新日:2024年04月29日

バイアグラが血圧に与える影響とは?メカニズムや注意すべき血圧の薬について解説

バイアグラは勃起をサポートしてくれますが、血管拡張作用によって血圧が下がることがあります。


「バイアグラを飲むと血圧はどう変わるの?」

「健康診断で血圧が高い(低い)といわれたけど、バイアグラを使っても大丈夫?」


このような心配をしている方も多いのではないでしょうか。


この記事では、バイアグラが血圧にもたらす影響やメカニズムを解説します。


低血圧や高血圧の方がバイアグラを使用するとどうなるのか、注意すべき血圧の薬についてもご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の監修者

ユナイテッドクリニック総医院長

細田 淳英

【経歴】

平成15年3月 帝京大学医学部卒業
平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院
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バイアグラを服用すると血圧はどうなる?安静時は下がる傾向にある

バイアグラを服用すると、安静時の血圧は下がる傾向にあります。

バイアグラの主成分(シルデナフィル)には血管を拡張させる作用があるためです。

ただし、性行為の際には性的興奮や運動によって血圧が一時的に上昇するため、性行為中の血圧変動は予測が難しいといえます。

血圧の変動は健康な成人男性であれば問題ない範囲ですが、低血圧や高血圧の既往がある方は重篤な副作用が起こる可能性もあるため、バイアグラを服用する前に医師と相談することが大切です。

バイアグラ服用後に血圧が低下するメカニズム

バイアグラが血圧を低下させるメカニズムには、体内でのcGMP(環状グアノシン一リン酸)の濃度変化が関係しています

cGMPは血管を拡張して血流を増加させる役割があり、バイアグラを服用することで以下の変化が起こります。

  1. バイアグラの主成分(シルデナフィル)がPDE5酵素(cGMPを分解する酵素)を阻害する
  2. cGMPが分解されにくくなり、体内のcGMP濃度が上昇する
  3. cGMPの濃度が上昇すると血管の平滑筋がリラックスし、血管が拡張する
  4. 血管が拡張することで血流が増加し、勃起を助ける
  5. 血管拡張作用が性器だけでなく全身に影響し、血圧が低下する

バイアグラは陰茎への血流を促進させる薬ですが、血管拡張の作用が陰茎以外にも及ぶことで、血圧が低下します。

低血圧の人がバイアグラを服用するのは危険?90/50mmHg未満は禁忌

低血圧の方のバイアグラ服用は危険な場合があります。とくに血圧90/50mmHg未満の方は、バイアグラの服用が禁忌とされています(※1)。

低血圧の方がバイアグラを服用すると、もともと低い血圧がさらに下がり、脳や内蔵への血流不足を引き起こす恐れがあるからです。

血流が不足するとめまいや失神が起こり、最悪の場合、命の危険に及ぶ可能性もあります。

低血圧でEDに悩んでいる方は医師に相談し、別の治療法を検討することをおすすめします。

【医師からのコメント】

当院を受診される低血圧の患者さまには副作用のリスクを説明し、低用量のバイアグラから試すよう提案しています。

ただし、極端に低い血圧の方にはバイアグラの処方はできませんので、亜鉛やマカといったED補助サプリをおすすめしています。

(※1 参考)PMDA|バイアグラ錠25mg/バイアグラ錠50mg/バイアグラODフィルム25mg

高血圧の人がバイアグラを服用するのは危険?適切に管理されていれば問題ない場合も

高血圧の方がバイアグラを服用する際には注意が必要です。

治療による管理がなされていない高血圧の方(安静時収縮期血圧>170mmHgまたは安静時拡張期血圧>100mmHg)は、バイアグラの使用が禁忌とされています(※1)。

また、高血圧治療薬の中にはバイアグラと同様の血管拡張作用を持つものがあり、バイアグラと併用すると急激な血圧低下を引き起こすリスクがあります。

とくに、以下の2つのタイプの薬は併用による死亡例も報告されており、禁忌とされているため決して併用しないでください

  • 硝酸剤またはNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミルなど)
  • sGC刺激剤(リオシグアト)

上記の薬を服用しておらず、高血圧がしっかりと管理されている場合は、医師の監督のもとであればバイアグラを使用できることもあります

高血圧と診断された方、健康診断で高血圧を指摘されたことがある方は、バイアグラの使用前に必ず医師に相談しましょう。

【医師からのコメント】

高血圧を指摘されていても、治療により血圧コントロールがなされてる方については、副作用のリスクを説明した上でバイアグラの処方を行っております。

ただし未治療の高血圧はバイアグラ服用によって重篤な副作用を引き起こす可能性がありますので、低血圧の方と同様に亜鉛やマカといったED補助サプリをおすすめしています。

(※1 参考)PMDA|バイアグラ錠25mg/バイアグラ錠50mg/バイアグラODフィルム25mg

バイアグラで血圧が下がると起こる症状

バイアグラで血圧が低下すると、以下の症状が現れることがあります。

  • めまい・ふらつき
  • 視界の悪化
  • 疲れやすさ・疲労感
  • 冷や汗
  • 失神

それぞれ、詳しくみていきましょう。

めまい・ふらつき

バイアグラで血圧が下がると、めまいやふらつきを感じることがあります。

血圧が下がると脳への血流が減少し、十分な酸素や栄養が脳に届かなくなるからです。脳の機能が低下すると平衡感覚に影響が現れ、結果としてめまいやふらつきが生じます。

とくに、立ち上がる際はめまいやふらつきが起こりやすいため注意が必要です。

視界の悪化

バイアグラ使用による血圧の低下は、視界の悪化を引き起こすことがあります。

血圧の低下により眼への血流が減少すると、視界がぼやけたり、視力が一時的に低下したりすることがあります。

とくに自動車の運転や、電球交換のような高所作業をする際には注意が必要です。

また、バイアグラとの因果関係は明らかではありませんが、バイアグラの投与中に非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)を発現した例が報告されています。

バイアグラの服用後に、急激な視力の低下や視界の悪化が現れた場合は、すぐに医師の診断を受けてください。

疲れやすさ・疲労感

バイアグラで血圧が下がると、疲れやすさや疲労感を生じることがあります。

低血圧によって血流が悪くなると、筋肉や内臓に酸素が届きにくくなり、疲労感やエネルギー不足の感覚を引き起こします。

少し歩くだけで疲れたり、仕事の集中力が低下したりする症状は、数時間以内に服用したバイアグラによる血圧低下が原因かもしれません。

冷や汗

バイアグラを服用すると血圧が下がり、冷や汗をかくことがあります。

低血圧によって、自律神経のバランスが乱れてしまうからです。

暑くないのに手のひらや脇、顔などに汗が出てくる場合は、血圧が低下しているサインかもしれません。

失神

バイアグラによる血圧の低下は、一時的な意識喪失(失神)を引き起こす可能性があります。

血圧が著しく低下することで脳への血流が不足し、脳の機能が低下してしまうからです。

とくに、急に立ち上がったときは重力の影響で血液が下半身に集中するため、失神が起こりやすくなります。

暑い場所にいるときや、長時間立ちっぱなしのときも失神が起こりやすいため注意が必要です。

バイアグラで血圧低下の症状が現れたらまずは横になって休憩しよう

バイアグラで血圧低下の症状が現れた場合、まずは横になって休憩することが大切です。

横になることで重力の影響を受けにくくなり、脳に血液が流れやすくなります。足を心臓より高くするとより効果的です。

また、水やスポーツドリンクを少しずつ摂取することで、症状が改善する場合があります。血圧低下は水分不足が要因となることがあるため、水分や電解質の摂取は大切です。

失神による転倒や怪我のリスクを避けるためにも、血圧低下の症状が現れたら立ち続けず、すぐに座るか横になってください。性行為の最中だった場合は、一旦中止して安静にしましょう。

【医師からのコメント】

元々低血圧気味の方は、バイアグラによる血圧低下の症状が現れやすいと考えられます。初めてバイアグラを飲む際には十分な注意を払いましょう

バイアグラと併用してはいけない血圧の薬

以下の薬は、バイアグラとの併用が禁忌とされています。

  • 硝酸剤またはNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミルなど)
  • sGC刺激剤(リオシグアト)

それぞれ、詳しくみていきましょう。

硝酸剤またはNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミルなど)

硝酸剤やNO(一酸化窒素)供与剤は、主に心臓病の治療に使われる薬です。

血管を拡張することで心臓への酸素供給を増加させ、胸痛の軽減や狭心症・心筋梗塞などの再発を予防する効果があります。

代表的な硝酸剤やNO供与剤には以下があります。

  • ニトログリセリン
  • 亜硝酸アミル
  • 一硝酸イソソルビド

バイアグラと硝酸剤やNO供与剤の併用が禁止されている理由は、どちらも血管を拡張する作用を持ち、血圧が危険なレベルまで低下する可能性があるからです。

バイアグラの使用を検討している場合は必ず医師に相談し、現在使用している薬についての情報を提供してください。

sGC刺激剤(リオシグアト)

sGC刺激剤(可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤)は、主に肺高血圧症の治療に使用される薬です。

血管内のsGC酵素を刺激し、血管を拡張することで肺高血圧症の症状軽減が期待できます。

sGC刺激剤の中で代表的な薬はリオシグアト(商品名:アデムパス)です。

バイアグラとsGC刺激剤はどちらも血管拡張作用があるため、同時に服用すると予想以上に血圧が下がり、重篤な副作用のリスクが高まります

最悪の場合はショック状態に陥り、命の危険に及ぶこともあるため決して併用しないでください。

バイアグラとの併用に注意が必要な血圧の薬

以下はバイアグラとの併用に注意が必要とされている薬です。

  • 降圧剤(アムロジピンなど)
  • α遮断剤(ドキサゾシンなど)

上記の薬は禁止されているわけではありませんが、服用している場合は必ず事前に医師に相談してください

それぞれの薬について、詳しくみていきましょう。

降圧剤(アムロジピンなど)

降圧剤は、主に高血圧症の治療に使用される薬です。血圧を下げることで心臓病や脳卒中など、高血圧による合併症のリスクを減らすことを目的としています。

降圧剤には以下のような種類があります。

  • アムロジピン
  • ロサルタン
  • リシノプリル

など

これらの薬とバイアグラとの併用は、血圧が過剰に低下するリスクを考慮し、医師の判断のもとで慎重に行うことが大切です。

α遮断剤(ドキサゾシンなど)

α遮断剤は、主に高血圧症や前立腺肥大症の治療に使用される薬です。

α1受容体を遮断することで血管の平滑筋をリラックスさせ、血管を拡張し血圧を下げる作用があります。前立腺肥大症の治療では尿道付近の平滑筋の緊張を緩和させて、排尿障害の症状を軽減します。

代表的なα遮断剤は以下のとおりです。

  • ドキサゾシン
  • テラゾシン
  • プラゾシン

これらの薬をバイアグラと併用する際は血圧が過剰に低下するリスクを十分に考慮し、事前に医師と相談してください

バイアグラと血圧についてよくある質問

バイアグラと血圧についてよくある質問をまとめました。

Q.血圧の薬とバイアグラは併用できますか?

降圧剤の種類によっては、医師の監督下であれば併用可能です。

血圧の薬にはバイアグラと併用が禁止されているものと、注意が必要なものがあります。詳しくは医師にご相談ください。

Q.高血圧でも飲めるED治療薬はありますか?

ED治療薬の種類というよりは、高血圧の程度や使用中の降圧剤の種類によります

医師に相談し、現在使用している薬や健康状態について詳しく伝えることが大切です。

Q.低血圧でも飲めるED治療薬はありますか?

低血圧の程度によります。血圧90/50mmHg未満の方は臨床試験で除外対象となっているため、ED治療薬を使用できません。

まとめ

バイアグラは血圧に影響するため、低血圧または高血圧の既往がある方は服用前に必ず医師と相談してください。

とくに硝酸剤やNO供与剤、sGC刺激剤との併用は禁忌とされており、命の危険に及ぶ可能性もあります。

バイアグラの血管拡張作用で血圧が低下すると、めまいやふらつき、失神などの症状が現れることがあります。症状が現れた際は無理せず、横になって休むことが大切です。

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