お酒を飲むとEDになる?勃たない原因やアルコールによる影響

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更新日:2023年11月29日 公開日:2023年11月29日

この記事の監修者はユナイテッドクリニックの細田 淳英です。

「お酒を飲みすぎるとEDになる」と聞き、不安に思っている方は多いでしょう。


もしくは既に勃起力の衰えに自覚があり、「もしかして、お酒が原因?」と疑っている方もいるかもしれません。


お酒とED(勃起不全)の発生率について、直接的な関係を示す研究は多くないものの、過度な飲酒がEDのリスクを高める可能性は十分にあります。


この記事では、お酒の飲み過ぎがEDにつながる理由や、お酒によるEDの予防・対策方法についてご紹介します。飲酒の習慣がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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この記事の監修者

ユナイテッドクリニック総医院長

細田 淳英

【経歴】

平成15年3月 帝京大学医学部卒業
平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院

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お酒の飲み過ぎがEDにつながる理由

直接的な因果関係は証明されていませんが、以下の理由からお酒の飲み過ぎはEDにつながると考えられています。

  • テストステロン量を減少させるから
  • 肥満や生活習慣病のリスクを増加させるから

それぞれ、詳しくみていきましょう。

【医師からのコメント】

中年以降のお酒好きは、EDを発症しやすい印象があります。

アルコールは生活習慣病と密接に関係していることから、EDの発症リスクを高めやすいとされています。

テストステロン量を減少させるから

お酒を過剰に摂取すると、テストステロンの生成に悪影響を及ぼすことがわかっています(※1)。

テストステロンは男性の性欲や性的機能に重要な役割をもつ男性ホルモンです。

その多くは精巣で産生されることから、過剰なアルコール摂取により精巣の機能が低下すると、テストステロンの分泌量も低下する恐れがあります。

テストステロン量の減少はEDのリスクを高めると考えられており、ED診療ガイドラインにおいてもEDのリスクファクターとして取り上げられています。

また、テストステロン量は年齢とともに減少する傾向があり、そこに過度な飲酒が加わることで、減少が加速する可能性があります。

男性ホルモン(テストステロン)の分泌量の変化

(※1 参考)The effects of alcohol on testosterone synthesis in men: a review

医師肥満や生活習慣病のリスクを増加させるから

お酒の飲み過ぎによって生じた肥満や生活習慣病が、EDを招く恐れがあります。

ED診療ガイドラインでは、飲酒自体をEDのリスクファクターとしていないものの、肥満や生活習慣病はEDの主要なリスクファクターであるとしています(※1)。

お酒を飲むと食欲が増進し、かつセルフコントロール力が失われることから、ついつい食べ過ぎてしまいやすいです。

「つまみを食べなければ太らない」という意見もありますが、お酒自体にもカロリーは含まれているため、飲み過ぎれば肥満につながります。

お酒が好きで、かつ「最近太ってきたかも…」と感じる方は、将来的にEDを発症するリスクがあるため注意しましょう。

性行為前の飲酒が勃起に与える影響は?プラスに働く場合とマイナスに働く場合の両方がある

アルコールが性行為に与える影響

性行為前にお酒を飲みすぎると、一時的に勃起力が低下する可能性があります。

アルコールが中枢神経系に影響を与え、脳からの性的刺激が伝わりづらくなるからです。

その結果、「上手く勃起できない」という症状に加え、「なかなか射精できない」という症状も出る可能性があります。

ただし、適量のアルコールにはリラックス作用があるのも事実です。過度な緊張や不安があるシチュエーションであれば、適度なアルコールが勃起をサポートしてくれる可能性があります。

アルコールの作用

画像引用:厚生労働省 e-ヘルスネット|アルコールの作用

もちろん「適度な飲酒」が前提であり、飲み過ぎれば逆効果となるため注意しましょう。

【医師からのコメント】

過度な飲酒はEDの原因となりますが、アルコールにはリラックス効果もありますので、性行為前の軽い飲酒であればむしろ勃起力に対してプラスに働く場合もあります。

ED予防の観点でお酒の適量はどれくらい?個人差はあるが純アルコールで約20g/日を目安に

日あたりの節度ある飲酒量の目安

ED予防の観点では飲み過ぎは控えるべきですが、お酒の適量には個人差があるため、具体的な量が決まっているわけではありません。

一つの目安として、厚生労働省が定める「節度ある適度な飲酒」の目安を知っておくとよいでしょう。

平均的なアルコール代謝能力がある日本人男性の場合、1日あたりの飲酒量の目安は純アルコールで約20g/日が目安とされています(※1)。

お酒の種類ごとの目安は以下のとおりです。

お酒の種類(アルコール度数) 目安
ビール(5%) 500ml(ロング缶1本)
焼酎(25%) 100ml(グラス1/2杯)
ワイン(12%) 200ml(グラス2杯弱)
ウイスキー(43%) 60ml(ダブル1杯)

※1

ただし、上記はあくまで目安であり、守れば絶対に大丈夫というわけではありません。

EDを予防したい場合は、お酒はほどほどにしておきましょう。

【医師からのコメント】

無理に辞める必要はないので、適度な飲酒量を心がけましょう。

お酒の量に気をつければ、EDのリスクは軽減できます。

(※1 参考)厚生労働省|アルコール

ED治療薬はお酒と一緒に飲んでも大丈夫?服用する際の注意点

ED治療薬とお酒の併用は禁止されていません。ED治療薬の有効成分とアルコールに直接的な相互作用はないからです。

ただし、ED治療薬とお酒を併用する際には以下の点に注意しましょう

注意点 理由
脂っこい食べ物との併用は避ける 脂っこい食事は消化に時間がかかり、ED治療薬の効果が現れるまで時間がかかる可能性があるため
高血圧・低血圧の場合は血圧の変動に注意する アルコールとED治療薬の両方に血管を拡張する作用があり、めまいやふらつき、頭痛などの副作用が強く現れる場合があるため
飲み過ぎない ED治療薬の作用によって血行がよくなり、通常よりも酔いやすくなる可能性があるため
柑橘系、とくにグレープフルーツ果汁の摂取を避ける 柑橘系、とくにグレープフルーツ果汁は、ED治療薬の代謝を阻害する可能性があるため

服用される方の体質や健康状態によっては、お酒との併用が危険な場合もあるため、医師の指示に従うことが大切です。

お酒の飲み過ぎで生じるEDへの予防・対策方法

お酒の飲み過ぎで生じるEDは、以下の方法で予防・対策が可能です。

  1. お酒の量や頻度を減らす
  2. 性行為前の過度な飲酒は控える
  3. ED治療薬を服用する

それぞれ、詳しくみていきましょう。

1.お酒の量や頻度を減らす

一般的にアルコールの代謝能力は加齢によって低下していくといわれており、若い頃と同じ量のお酒を摂取し続けると、EDを含むさまざまな病気のリスクが増加する可能性があります。

特に中高年を迎えた方はアルコール摂取量を見直し、必要に応じて減らすことが大切です。

また、お酒によるEDの予防・対策として、休肝日を設けることも検討してみてください

週に5〜7日アルコールを摂取する人は、週に5日未満の人と比べて総死亡リスクが高いことがわかっており、身体全体の健康維持には週3日以上の休肝日が推奨されます(※1)。

(※1 参考)Patterns of Alcohol Drinking and All-Cause Mortality: Results from a Large-Scale Population-based Cohort Study in Japan

2.性行為前の過度な飲酒は控える

お酒の飲み過ぎは一時的な勃起力低下を引き起こす可能性があるため、性行為前の過度な飲酒は控えた方が賢明です。

お酒はよくも悪くも感覚を鈍くするため、勃起の維持や射精のコントロールだけでなく、性行為の満足度にも影響します。

もちろん、パートナーと一緒にお酒を飲んでから性行為に移行するシチュエーションもあるかもしれません。

お酒を飲む場合は適量を守り、可能であれば性行為と時間を空けて、アルコールの影響を軽減しましょう。

3.ED治療薬を服用する

代表的なED治療薬の種類

お酒の飲み過ぎや肥満などにより、すでにEDの症状や兆候のある方は、ED治療薬の服用を検討してみましょう

ED治療薬は陰茎の血流を改善し、勃起しやすくしたり、勃起の持続時間を伸ばしたりする効果が期待できる薬です。

代表的なED治療薬は以下の3種類です。

バイアグラ

バイアグラ

レビトラ

レビトラ

シアリス

シアリス

特徴 世界的に知名度のあるED治療薬 即効性が高い 作用時間が長い
ジェネリックの名称 シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
効果が現れるまでにかかる時間 30分~1時間 15分~30分 1~3時間
効果の持続時間 3~5時間 5~8時間 30~36時間
食事による影響 受けやすい
(空腹時の服用が推奨される)
やや受けにくい 受けにくい

なお、ED治療薬は国内では医療用医薬品に指定されており、医師の処方によってのみ入手できます。

通販サイトでの購入は偽造薬や粗悪品による健康被害のリスクがあり危険です(※1)。

EDにお悩みの方やED治療薬の処方が必要な方は、クリニックまでご相談ください。

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(※1 参考)厚生労働省|医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

お酒とEDについてよくある質問

お酒とEDについてよくある質問をまとめました。

Q.毎日お酒を飲み続けているとEDになりますか?

飲酒とEDに直接的な因果関係は認められていませんが、慢性的な飲酒は肥満や生活習慣病につながることから、EDのリスクを高めると考えられます。

Q.お酒を飲むと妊活に影響しますか?

過度なアルコール摂取は精子の数や質に悪影響を及ぼすことがわかっています(※1)。

また本記事でも紹介したように、過剰なアルコール摂取はEDを招き、性行為が上手くできなくなってしまう恐れもあります。

妊活中の方はアルコールの過剰摂取を控えるのが望ましいです。

(※1 参考)Semen quality and alcohol intake: a systematic review and meta-analysis

Q.お酒を飲むと勃起しやすい気がするのはなぜですか?

お酒は適量であればリラックス効果があり、緊張がほぐれることで、勃起しやすくなる場合があります

ただし、飲み過ぎはEDや一時的な勃起力低下につながる可能性があるため、体調や体質にあった量に抑えることが大切です。

まとめ

日常的に飲酒の習慣がある方は、EDのリスク要因である肥満や生活習慣病になりやすく、結果的に「お酒の飲み過ぎはEDになりやすい」と言えます。

さらにアルコールには感覚を麻痺させる作用があるため、性行為の前に飲むと一時的な勃起力の低下を招くこともあります。

しかし、少量のお酒であればリラックス効果が得られ、不安や緊張がある場合には性行為にプラスの影響があることも事実です。

安全で楽しい性生活を維持するためにも適量を守り、お酒と上手に付き合っていきましょう。

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