EDに漢方薬は効果あり？副作用や注意点、おすすめの市販薬を解説

ED治療では漢方薬を併用する場合があります

漢方薬は直接的なED治療の手段としては使用されませんが、全体的な健康を促進するための選択肢としてED治療に併用されることがあります。

前提として、漢方薬は勃起を促すための薬ではありません。

しかしED治療においては、体調面を改善し勃起しやすい身体を作る必要があります。そこで用いられるのが漢方薬です。

漢方薬は古代中国から伝わる伝統的な治療法であり、身体のバランスを整え、全体的な健康を促進するために用いられてきました。

たとえば「補中益気湯」と呼ばれる漢方薬は、虚弱体質や疲労倦怠に効果があります。これによって全体的な体調が整えば、EDが改善に向かう可能性があります。

漢方薬は直接的に勃起を促すことがなくても、ED改善の一助になるのです。

勃起を促すED治療薬と併用すれば、より総合的な治療効果を期待できるでしょう。

【医師からのコメント】

漢方薬はED治療薬のように、服用した大多数の方に効果が現れるといったものではありません。また、効果についても個人差が大きく、効果を感じられないケースも珍しくありません。

ただし長期的に見れば、身体のバランスを整えることで、ED体質を改善する効果は期待できます。

ED治療薬の禁忌薬を服用している方や、ED治療薬の副作用が気になるといった方には漢方がおすすめです。

※当院では漢方薬は処方しておりません

EDに効果が期待できる漢方薬【市販でも購入可】

市販でも購入可能な漢方薬の中から、EDに効果が期待できる漢方薬を紹介します。

※1

上記の効果・効能は、ED改善のサポートが期待できます。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

（※1 参考）：厚生労働省｜一般用漢方製剤承認基準

補中益気湯

補中益気湯（ほちゅうえっきとう）は、体力の低下や疲労によるEDに対して効果が期待できる漢方薬です。

気や気血の不足を補い、身体の基本的なエネルギーを回復させることで、性機能の向上をサポートします。

【補中益気湯の効果・効能】

【補中益気湯の副作用・注意点】

（※1 参考）厚生労働省｜一般用漢方製剤承認基準
（※2 参考）ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒

八味地黄丸

八味地黄丸（はちみじおうがん）は、腎（腎臓・泌尿器・生殖器）の機能を補い、精力を強化するための漢方薬です。

腎のエネルギーを取り戻すことで、勃起機能の向上や精力増強に寄与するとされています。

【八味地黄丸の効果・効能】

【八味地黄丸の副作用・注意点】

（※1 参考）厚生労働省｜一般用漢方製剤承認基準
（※2 参考）ツムラ漢方八味地黄丸エキス顆粒A

柴胡加竜骨牡蛎湯

柴胡加竜骨牡蛎湯（さいこかりゅうこつぼれいとう）は、ストレスや精神不安によるEDに対して効果が期待できる漢方薬です。

体内のバランスを整え、ストレスの軽減を図ることで、性機能の改善を目指します。

【柴胡加竜骨牡蛎湯の効果・効能】

【柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用・注意点】

（※1 参考）厚生労働省｜一般用漢方製剤承認基準
（※2 参考）ツムラ漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒

十全大補湯

十全大補湯（じゅうぜんだいほとう）は、全身のバランスを整え、疲労や虚弱感からくるEDに対して効果が期待できる漢方薬です。

身体のエネルギーを高め、免疫力を向上させることで、性機能の回復をサポートするとされています。

【十全大補湯の効果・効能】

【十全大補湯の副作用・注意点】

（※1 参考）厚生労働省｜一般用漢方製剤承認基準
（※2 参考）十全大補湯エキス錠クラシエ

半夏厚朴湯

半夏厚朴湯（はんげこうぼくとう）は、消化器系の不調や不安感、緊張感によるEDに対して効果が期待できる漢方薬です。

胃腸の働きを正常化させ、神経を落ち着かせることで、性機能の改善に寄与するとされています。

【半夏厚朴湯の効果・効能】

【半夏厚朴湯の副作用・注意点】

（※1 参考）厚生労働省｜一般用漢方製剤承認基準
（※2 参考）ツムラ漢方半夏厚朴湯エキス顆粒

漢方の服用と合わせて実施したいED対策

漢方の服用と合わせて以下の対策を実施することで、EDに対して効果的な予防・改善が期待できます。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

ED治療薬（PDE5阻害剤）を服用する

ED治療薬（PDE5阻害剤）は、PDE5と呼ばれる酵素の働きを阻害することで、血液の流れを増加させ、陰茎の勃起を促進する薬です。

漢方と大きく異なる点は、勃起を直接的に促す効果がある点です。服用して数十分〜数時間すると、勃起しやすい状態となります。

代表的なPDE5阻害剤にはバイアグラ、シアリス、レビトラなどがあります。

漢方薬とPDE5阻害剤を併用する場合は、事前に医師に相談することが大切です。併用によって副作用のリスクが高まる可能性があります。

【医師からのコメント】

漢方薬にはED治療薬のような即効性はありませんが、身体のバランスを整えることでED体質を改善する効果が期待できます。

漢方薬を毎日服用することで体質を改善し、いざというときには即効性のあるED治療薬を服用するのがよいでしょう。

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適度な運動を習慣にする

適度な運動を習慣にすることは、ED対策において効果的なアプローチのひとつです。

「ED診療ガイドライン」においても、ED患者に対する運動療法が強く推奨されています。

適度な運動を行うことで全身の血流がよくなり、陰茎の血液供給が向上することで勃起機能の改善が期待できるからです。

海外の研究では、週に2.5時間以上のランニングを行うことでEDのリスクが30%低下すると報告されています（※1）。

運動を続けるためには、無理な負荷をかけずに自分のペースで取り組むことが大切です。

自身が楽しみながら取り組める運動を選びましょう。

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（※1 参考）Physical activity and erectile dysfunction: meta-analysis of population-based studies

食生活を見直す

食生活を見直すことは、ED対策において重要なアプローチです。

肥満はEDのリスクを1.7倍に増加させる（※1）ため、高カロリーな食事や塩分・脂肪分が多い食事は避けましょう。

健康的な食習慣を持つことで、血液循環やホルモンバランスにいい影響をもたらし、EDの予防・改善につながります。

また、以下の栄養素と食事は性機能によいとされています。

上記の栄養素を積極的に摂取し、バランスのよい食生活を心がけましょう。

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（※1 参考）A prospective study of risk factors for erectile dysfunction

禁煙する

EDの改善では、禁煙が重要なステップとされています。

喫煙は血管の健康に悪影響を及ぼし、勃起に必要な血液の流れを制限するからです。

「ED診療ガイドライン」においても、喫煙者に対する禁煙指導が強く推奨されています。

しかし、禁煙は簡単なことではありません。禁煙を成功させるためには、家族や友人、パートナーなど周囲の人々のサポートを受けながら取り組むことが大切です。

強い意志力と忍耐力を持ちながら、段階的に喫煙を進めていきましょう。

EDと漢方についてよくある質問

EDと漢方についてよくある質問をまとめました。

Q.ツムラの漢方はEDに効きますか？

体調面が整うことで、ED改善の一助となることが期待できます。

ツムラは信頼性の高い漢方薬品メーカーとして知られており、総合的なアプローチを重視するクリニックでは、ツムラの漢方薬が処方されることもあります。

ただしツムラの製品に限らず、漢方薬を服用しても勃起が直接促されるわけではありません。

Q.ED治療薬と市販の漢方薬を併用しても大丈夫ですか？

服用する前に医師や薬剤師に相談してください。

ED治療薬と漢方薬の相互作用や飲み合わせにより、健康問題を引き起こす可能性があります。

Q.遅漏や射精障害に効く漢方薬はありますか？

加齢や疲労による「衰弱性遅漏」の場合は「補中益気湯」が効果を期待できます。

補中益気湯は主に、気虚（ききょ）や陽虚（ようきょ）による身体の衰弱や疲労に対して用いられる漢方薬です。

ただし、遅漏や射精障害はさまざまな要因によって引き起こされるので、原因がわからない場合は医師に相談することをおすすめします。

Q.桂枝茯苓丸や加味逍遙散は男性が飲んでも大丈夫ですか？

男性が飲んでも問題はありません。

これらの漢方薬は主に女性の更年期症状（冷え性や血の道症など）を軽減するために使用されることが多いですが、特定の性別に使用が限定されるものではありません。

EDは漢方だけでなく総合的なアプローチが大切

ED治療において、漢方薬の併用は選択肢のひとつです。

しかし、漢方薬は直接的にEDを治すものではないため、効果が出るまでに時間がかかる場合や、症状によっては改善が難しい場合もあります。

漢方薬の効果を最大限に引き出すためには

など、総合的なアプローチで改善を目指すことが大切です。

当院ではED治療薬のオンライン処方を行っていますので、ぜひご相談ください。