EDを発症する割合は?年齢別のデータや発症率を上げる要因も紹介

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更新日:2024年11月28日 公開日:2023年11月29日

この記事の監修者はユナイテッドクリニックの細田 淳英です。

歳を重ねるごとに勃起力が衰え、「これってED?」と疑っている方は少なくないでしょう。


また、加齢でEDのリスクが増すと聞き、「今は大丈夫だけど、将来的には自分も勃たなくなるのかな?」と不安になっている方もいるはずです。


結論からいうと、40代以上の男性は3人に1人の割合でEDに該当するとされており、決して人ごとではありません。


そこで今回は、EDを発症する割合とその年齢別データを紹介します。


ED患者の実態を知ることで、予防に向けた行動を起こすきっかけとなるでしょう。

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この記事の監修者

ユナイテッドクリニック総医院長

細田 淳英

【経歴】

平成15年3月 帝京大学医学部卒業
平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院

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【EDに該当する人の割合】40代以上の男性3人に1人が該当

日本国内のED患者数は推定1,130万人で、40歳以上の男性3人に1人がEDに該当するといわれています(※1)。

ED患者数は年々増えているとされており、その背景には以下のようなことが考えられます。

  • 高齢者人口の増加
  • ライフスタイルの変化によるストレスや生活習慣病の増加

(※1)

EDの定義は、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発すること」です(※2)。

つまり、「まったく勃たない」という状態以外でもEDに該当し、自分がEDだと自覚していない方も多いと推測できます。

【医師からのコメント】

当院は2013年からED外来を開設していますが、10年前と比べると患者さまの数が年々増えている実感があります。

また昔と比べて70代や80代の高齢の方の相談が増えた一方で、10代後半から20代前半の若い方の相談も同じくらい増えている印象があります。

(※1 参考)日本臨床内科医会|EDQ&A
(※2 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|診療ガイドライン

年齢別のEDの割合は?40代を境に有病率が急増

1998年に国内で行われた疫学調査によると、年齢別のED有病率は以下のように推定されており、40代を境に有病率が急増することがわかります。

日本におけるED有病率(全国推計)
画像引用:日本性機能学会/日本泌尿器科学会|診療ガイドライン

また、当院が実施したアンケート調査では、勃起力の衰えを感じ始めたのは「30代後半から」が最多という結果になっています。

勃起力の衰えを感じ始めたのはいつ頃からですか?
画像引用:@Press|“勃起力の衰え”に関するアンケート調査を実施  30代以降の男性202名に聞いたリアルな勃起事情

30代後半~40代以降は、EDにとくに注意が必要な年齢といえるでしょう。

【医師からのコメント】

当院の患者さまも、やはりメインは40〜50歳代の中高年の方です。

若い方は精神的な問題に起因する相談が多いのに対し、中高年以降は生活習慣病や加齢に起因する相談が多いのが特徴です。

EDの発症率を高める要因

以下はEDの発症率を高める主な要因(リスクファクター)です。

  • 加齢
  • 肥満
  • 運動不足
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 喫煙
  • 男性ホルモン(テストステロン)量の低下

それぞれについて、詳しく解説します。

加齢

世界中の疫学調査から、年齢とEDの関連性が確認されており、加齢によってEDの発症率は高まることがわかっています。

年齢とともに血管や組織の老化が進行することが主な要因と考えられています。血管や組織の老化により勃起に必要な血液の流入が妨げられ、勃起能力が低下してしまうのです。

また、加齢に伴って肥満や生活習慣病、慢性疾患のリスクが増加することも大きな要因のひとつとされています。

肥満

「肥満は万病の元」という言葉があるように、肥満はさまざまな病気のリスクを増加させる要因とされています。EDもそのひとつです。

肥満になると、冠動脈疾患や動脈硬化など循環系の問題が起こりやすくなります。その結果、勃起に必要な血液の流れが阻害され、EDのリスクが増加するのです。

また、肥満は男性ホルモン(テストステロン)量の低下を引き起こすことがあり、これもEDの一因となります(※1)。

(※1 参考)Relationship between sexual function, body mass index and levels of sex steroid hormones in young men

運動不足

米国で行われた研究では、運動不足がED(勃起不全)のリスクを高める可能性があると報告されています(※1)。運動不足は血液の循環を悪化させるためです。

また、運動不足は体重増加や肥満の要因です。先にも述べたように、肥満は血管機能や男性ホルモン量に影響を与え、EDのリスクを高める一因となります。

(※1 参考) Bacon CG, Mittleman MA, Kawachi I, Giovannucci E, Glasser DB, Rimm EB. A prospective study of risk factors for erectile dysfunction. J Urol 2006; 176: 217 – 221

糖尿病

高血糖は神経や血管組織にダメージを与えるため、糖尿病の方はEDを発生しやすくなります。

実際、糖尿病とEDは数多くの研究で有意な関連が認められており、日本人を対象にした慢性疾患研究では、糖尿病患者のED発症率は非罹患者と比べて2.88倍高いと報告されています(※1)。

糖尿病に合併しやすいうつ状態や不安、性欲低下などもEDの発生率を高める要因です。

(※1 参考)Men’s Health Study: epidemiology of erectile dysfunction and cardiovascular disease

高血圧

高血圧の男性は、EDの発症頻度が通常の男性よりも高いとされています。

121,641名を検討したメタアナリシスによると、高血圧の男性のED発症リスクは非罹患者に比べて1.74倍という結果が示されています(※1)。

また、高血圧の治療薬(降圧薬)の一部は薬剤性EDを引き起こす可能性もあるため、高血圧の方は薬剤性EDにも注意が必要です。

(※1 参考)Hypertension might be a risk factor for erectile dysfunction: a meta-analysis

喫煙

28,586名のデータを統合解析したメタアナリシスによると、喫煙者のED発症リスクは非喫煙者と比べて1.51倍という結果が示されています(※1)。

タバコの量が増えれば増えるほど、EDのリスクが高まることもわかっており、喫煙の習慣はEDの危険因子といえるでしょう。

喫煙がEDを引き起こすメカニズムとしては、ニコチンによる血管の収縮や交感神経刺激などが悪影響を与えると考えられています。

(※1 参考)Smoking and risk of erectile dysfunction: systematic review of observational studies with meta-analysis

男性ホルモン(テストステロン)量の低下

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、男性の性機能維持に欠かせない存在です。

テストステロン量の低下とEDの関係については、まだ解明されていない部分が多くあり、「ED診療ガイドライン」においても一定の見解はないと結論づけられています。

しかし、性腺機能低下症の患者において、テストステロン補充療法がEDの改善に有効であることから、テストステロン不足がEDの要因となる可能性は高いといえるでしょう。

EDを自力で治す方法は?生活習慣の改善がカギ

EDを改善するためには自身の生活習慣を見直すことが大切です。

実際に、ED治療の現場では肥満に対する食事療法や運動療法、喫煙に対する禁煙指導などが行われています

具体的には以下の5つの生活習慣を見直すことで、EDの症状を和らげることが期待できるでしょう。

見直すべき生活習慣 具体的な改善方法
運動習慣 有酸素運動(散歩、ジョギング、サイクリングなど)を週に数回取り入れる。筋力トレーニングもおすすめ。
食生活 たんぱく質とビタミン、ミネラルを意識的に摂り、バランスの取れた食事を心がける。
ストレス解消 毎日のストレスを軽減するためにリラックス法(深呼吸、瞑想、ヨガなど)を取り入れる。趣味やレジャー活動を通じて心身をリフレッシュする。
睡眠 規則正しく、十分な睡眠時間を確保する。快適な寝室環境を整える。
喫煙 禁煙する。難しければ禁煙外来も検討する。

ただし、EDの症状が続く場合や他に深刻な健康問題がある場合は、医師に相談することが大切です。

勃起力の衰えを感じ始めたらED治療薬の検討を

代表的なED治療薬の種類

EDの症状が進行している場合は、生活習慣の改善だけでは回復が見込めないケースもあります。勃起力の衰えを感じ始めたら、ED治療薬を検討してみてはいかがでしょうか。

ED治療薬は、勃起時における血液の流れを改善し、勃起を促進する作用があります。

日本国内では以下の3種類のED治療薬が承認されており、予算やライフスタイルなどにあわせて選択できます。

バイアグラ

バイアグラ

レビトラ

レビトラ

シアリス

シアリス

主成分 シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
効果が現れるまでにかかる時間 約30分~1時間 約15~30分 約1~3時間
効果の持続時間 約3~5時間 約5~8時間 約30~36時間
食事による影響 出やすい やや出にくい 出にくい
費用相場(1錠あたり) 25mg:1,300円〜1800円
50mg:1,800円〜2,200円
10mg:1,500円〜1,800円
20mg:1,700円〜2,000円
10mg:1,500円〜1,800円
20mg:1,700円〜2,000円

ED治療薬は医師による処方が必要です。ED治療薬を検討されている方は、ぜひ当クリニックまでご相談ください。

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ED治療薬は何歳まで服用できる?

ED治療薬の使用に年齢制限はありませんが、高齢者(65歳以上)の方は以下に注意する必要があります。

  • 低用量から始め、様子を見ながら調整する
  • 医師の指導を仰ぎ、健康状態や服用中の薬物との相互作用を考慮する
  • 異常が見られた場合は速やかに医師に相談する

高齢者にとってもED治療薬はひとつの選択肢となりますが、年齢が上がるにつれて、身体の代謝や生理機能は変化します。

副作用のリスクを抑えるためには、医師との十分なコミュニケーションが不可欠です。

EDについてよくある質問

EDについてよくある質問をまとめました。

Q.EDの初期症状はどのようなものですか?

EDの初期症状は個人差がありますが、一般的には以下のような症状が現れます。

  • 勃起が難しくなる(硬さや持続時間が不足する)
  • 性行為中に中折れしてしまう
  • 朝立ちの回数の回数が減る
  • 性欲が減少する

これらの症状は一時的な場合もありますが、症状が続く場合は早めに医師の診察を受けることが大切です。

Q.EDは筋トレで治りますか?

筋トレには血行改善や肥満解消などの効果が期待でき、EDの改善に寄与する可能性はあります。

ただし、筋トレだけでEDが治るとは限りません。EDの原因は多岐にわたり、身体的な健康だけでなく、心理的な要因も影響します。

EDの根本的な原因に対処するためには、医師の診察を受けることが大切です。

Q.高校生でもEDになることはありますか?

高校生でもEDになることはあります。

高校生におけるEDの原因は一般的に、性行為に対するプレッシャーや緊張など、心因性のものが多いです。

まとめ

EDは決して珍しい症状ではなく、40代以上の3人に1人が抱えている問題です。加齢や不健康な生活習慣などがEDのリスクを高めます。

「勃起力の衰え」は男性にとって敏感なテーマかもしれませんが、悩んでいる方は無視せず、今一度向き合ってみてはいかがでしょうか。

生活習慣の改善とともに、早めに医師に相談することで、満足な性生活を取り戻す一歩となるでしょう。

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