包茎とは？種類と治療方法、手術の必要性について解説

包茎とは？亀頭が包皮に覆われた状態のこと

包茎とは、平常時または勃起時に、亀頭が包皮に覆われていて露出しない状態のことです。

包茎の主な原因は生まれつきで、以下の個人差が影響します。

生まれつき以外にも、炎症や外傷などによって包皮が張り付いたり、加齢で包皮が硬くなったりして、包茎になることがあります。

包茎は必ずしも治療が必要なものではありませんが、性行為に支障がある場合や、衛生的な問題が生じている場合は、早めに医師に相談することが大切です。

包茎の種類

包茎は以下の3種類に分類されます。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

仮性包茎

仮性包茎は、平常時は亀頭が包皮に覆われているものの、勃起時や手で包皮を引き下げた際には亀頭が露出する状態です。

日本の成人男性の約7割は仮性包茎（※1）といわれており、痛みや不快感がない場合は治療の必要はありません。

また、仮性包茎は包皮を引き下げれば亀頭が露出するため、清潔を保つことも簡単です。毎日の入浴時に包皮を引き下げ、ペニスを優しく丁寧に洗いましょう。

（※1 参考）日本性教育協会｜現代性教育研究ジャーナル No.103

カントン包茎（嵌頓包茎）

カントン包茎（嵌頓包茎）は、包皮が狭いために勃起時に亀頭が締め付けられ、元に戻らなくなる状態です。

軽度～中等度のカントン包茎では、勃起時に締め付けや痛みを感じるものの、勃起が収まると自然に元の状態に戻ります。

しかし、重度の場合は勃起が収まっても包皮が戻らず、亀頭がうっ血し、最悪の場合はペニスの組織が壊死する可能性があります。このような場合には緊急の治療が必要です。

軽度のカントン包茎であっても、勃起時に包皮が裂けてしまう場合があるため、早めに治療を受けることをおすすめします。

真性包茎

真性包茎は平常時だけでなく、勃起時にも亀頭が露出しない状態です。包皮が狭く硬いため、自分の手で包皮を引き下げることもできません。

真性包茎は包皮の衛生状態が悪化しやすく、性行為にも支障をきたすため早急な治療が必要です。

なお、真性包茎の原因は生まれつきがほとんどですが、亀頭包皮炎が頻発することで包皮が狭くなる、後天性の真性包茎も稀に存在します。

包茎のデメリット

包茎には以下のデメリットがあります。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

ペニスが不衛生な状態となる

包茎はペニスが不衛生な状態となり、包皮炎や亀頭包皮炎などの感染症を引き起こしやすくなります。

包皮によって亀頭が覆われているため恥垢（俗にいうチンカス）が溜まりやすく、細菌やウイルスが繁殖しやすいからです。

仮性包茎の方は入浴時に包皮をしっかりと剥いて、亀頭や包皮を丁寧に洗浄しましょう。

女性から悪印象をもたれる

「包茎は不衛生」というイメージは女性の間でも広く認識されており、女性が包茎の男性に抱く印象はよくないことが多いです。

包茎による衛生状態の悪さが原因で不快感や嫌悪感を抱かれてしまうこともあります。

たとえば、性行為の際にペニスが汚れていたり、臭いがしたりすると、不快感を与えてしまいます。

女性に悪い印象を与えないためにも、ペニスは常に清潔にしておくよう心がけましょう。

早漏になりやすい

包茎の男性は早漏になりやすいといわれています。

平常時は亀頭が常に包皮で覆われているため、摩擦刺激に対して敏感になりやすいからです。

逆に包茎ではない男性は、日常的に亀頭と下着が擦れているため、亀頭全体が刺激に強くなりやすいといわれています。

ただし、包茎手術をしても早漏改善に直結するとは限りません。12の研究を評価したメタアナリシスでは、「包茎手術は早漏に影響しない」と結論付けられています（※1）。

早漏の治療には早漏治療薬がおすすめです。当院では早漏治療薬「プリリジー」と、早漏防止用スプレー「リドスプレー」を処方しております。

早漏治療をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

【医師からのコメント】

包茎だとわずかな刺激でも過敏になってしまい射精してしまうことがあるので、早漏の原因となり得ます。

実際に当院でも包茎が原因で過敏性早漏となってしまっている患者さまを拝見することは多々あります。

（※1 参考）Circumcision does not have effect on premature ejaculation: A systematic review and meta‐analysis – Yang – 2018

コンプレックスからEDを発症する可能性がある

包茎による見た目や清潔感に対する不安が、性行為への自信を失わせ、心因性EDを引き起こす可能性があります。

心因性EDとは、精神的な要因によって起こるED（勃起不全）のことです。自慰行為では勃起できるものの、緊張や不安が強くなると性行為中にうまく勃起できなくなります。

なお、心因性EDの治療にはED治療薬がおすすめです。ED治療薬は性的刺激を受けたときに血管を拡張し、勃起しやすくする効果があります。

当院では各種ED治療薬を取り揃えております。EDにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

【医師からのコメント】

包茎へのコンプレックスが心因性EDを引き起こす可能性は十分あります。

EDの原因が包茎であるということが明らかな場合は、ED治療薬の服用だけではなく、包茎手術も併せて検討してみるといいでしょう。

更新日：2024年10月01日 公開日：2023年04月06日

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包茎の治療方法

包茎には、手術（環状切除）と包皮翻転指導という2つの治療方法があります。

どちらの方法を選ぶかは、包茎のタイプや症状の程度によります。

それぞれの治療方法について、詳しくみていきましょう。

※当院では包茎治療は行っておりません

手術（環状切除）

包茎手術（環状切除）は、余った包皮内板をリング状に切除し、残った皮膚を縫い合わせる方法です。

仮性包茎の場合は自由診療で、費用は全額自己負担となります。一方、思春期以降の真性包茎やカントン包茎の場合は、医療保険が適用される場合があります。

手術時間は通常30分ほどです。そのため、ほとんどのクリニックでは日帰りで手術できます。

ただし、包茎手術は信頼できる医療機関を選ぶことが非常に大切です。

男性の美容医療に関しては、国民生活センターや消費生活センターに寄せられた相談のうち、包茎手術の相談が半数以上を占めています（※1）。

具体的には、以下のような内容の相談が寄せられています。

（※1）

上記のようなトラブルを避けるためにも、 事前に口コミや評判、医師の経歴などをチェックし、信頼できる医療機関を選びましょう。

（※1 参考）独立行政法人国民生活センター｜美容医療サービスにみる包茎手術の問題点

包皮翻転指導

包皮翻転指導は、包皮の先端にステロイド軟膏を塗り、狭くなった部分をやわらかくすることで、包皮を剥きやすくする方法です。

主に子どもの包茎治療や、手術を行う前の初期治療として選択されます。

ステロイド軟膏の作用によって包皮が徐々に伸びやすくなり、自然に剥けるようになる効果が期待できます。

仮性包茎でも手術は必要？気になる症状がある場合は検討しよう

仮性包茎は通常、治療の必要はありません。毎日の入浴時に包皮を剥いてペニスを洗っていれば、衛生的な問題は起こりにくいからです。

しかし以下の場合は、仮性包茎であっても包茎手術を検討したほうがよいでしょう。

上記に該当する場合は早めに医師に相談し、適切な治療を受けてください。

包茎についてよくある質問

包茎についてよくある質問をまとめました。

Q.包茎は自力で治せますか？

思春期以前であれば、身体が成長するにつれて自然と治る可能性があります。

逆に、思春期以降に自力で治すことは困難です。治療が必要な場合は医師に相談しましょう。

Q.性行為で射精できないのは包茎が原因ですか？

真性包茎の場合は包皮がまったく剥けないため、刺激が不足して射精しにくくなります。

カントン包茎の場合は、性行為中に包皮が締め付けられ、痛みや不快感で射精が妨げられる可能性があります。

Q.勃起しにくい・中折れしてしまうのは包茎が原因ですか？

真性包茎やカントン包茎では包皮が強く締め付けられるため、物理的に勃起が難しくなり、中折れの原因となります。

一方、仮性包茎は通常問題ありませんが、包茎に対するコンプレックスが原因で心因性EDを引き起こす可能性があります。

まとめ

包茎は仮性包茎、カントン包茎、真性包茎の3種類あり、日本人男性の約7割は仮性包茎といわれています。

仮性包茎は手術の必要はありません。しかし、不衛生な状態が続くと感染症のリスクが高まるため、清潔な状態を維持することが大切です。

カントン包茎と真性包茎は治療が必要となります。日常的に清潔を保つことが難しく、性行為にも支障をきたすため、早めに医師に相談しましょう。