我慢汁で妊娠はあり得る？外出しした場合の妊娠確率も紹介

我慢汁での妊娠確率は22%

WHOのデータによると、膣外射精法（射精前に男性器を抜いて外に射精する方法）での妊娠確率、つまり我慢汁での妊娠確率は22%とされています（※1）。

常に22%の確率で妊娠するわけではありませんが、膣内で射精しなくても妊娠する可能性があることは覚えておきましょう。

妊娠確率は女性の体質や生理周期、男性の精子濃度、量などによっても左右されます。

（※1 参考）WHO｜Selected practice recommendation for contraceptive use

我慢汁で妊娠する理由

正確には我慢汁で妊娠するわけではなく、我慢汁に精液が混じることで妊娠します。

カウパー腺から分泌される我慢汁は尿道を通って排泄されますが、精液も同様に尿道を通ります。尿道内で我慢汁に精液が混入し、腟内に入ることで、妊娠してしまう可能性があるのです。

また我慢汁とは俗語で、正式には「カウパー液」と呼ばれます。

我慢汁で妊娠するケースとは？

我慢汁で妊娠するケースには、以下のようなものがあります。

1つずつ解説していきます。

コンドームを着けず射精直前で抜いた（外出しした）

膣内に射精せずとも、精液を含んだ我慢汁が挿入中に膣内に入るため、妊娠する可能性があります。

さらに、男性側が射精直前で性器を膣から抜いたと思っていても、実際は一部を膣内で射精しているケースも考えられます。

外出しは避妊法として不十分なので、最初からコンドームを使用しましょう。

挿入して途中からコンドームを着けた

挿入して途中からコンドームを着けても、すでに我慢汁が膣内に入り込んでいる可能性があり、妊娠のリスクは排除できません。

コンドームを着ける目的は、射精時の精液を膣内に入れないだけでなく、射精前に出る我慢汁を膣内に入れないためでもあります。

妊娠の可能性を減らすには、性行為の最初からコンドームを着用することが重要です。

安全日だから大丈夫だと安心していた

いわゆる「安全日」は、妊娠の可能性が低いとされていますが、完全に妊娠のリスクを排除できるわけではありません。

精子は女性の体内で数日間生存するため、膣内に射精していなくても、我慢汁に混ざった精子で妊娠することがあります。

妊娠を避けたい場合は、生理周期に関わらずコンドームは常に着けることが推奨されます。

挿入中にコンドームが外れた・破れた

コンドームが途中で外れたり破れたりした場合、気づいた時点で性行為を中断しても精液を含んだ我慢汁が腟内に残るため、妊娠の可能性があります。

コンドームが途中で外れる原因には、以下のことが考えられます。

また使用期限が切れていると、素材が劣化して破れやすくなる可能性があります。

コンドームは正しい方法で着けるだけでなく、使用期限や破損がないかを確認することが大切です。

コンドームを着けていない状態で性器同士が接触した

挿入せずとも、性器同士の接触で妊娠する可能性があります。

とくに注意が必要なのが、素股と呼ばれる性器同士を擦り合わせる行為です。我慢汁が性器に付着し、それが膣内に入ることで妊娠するリスクがあります。

挿入しなくても性器同士が触れ合う場合は、コンドームを使用したほうがよいでしょう。

我慢汁が付着した手で女性器に触れた

我慢汁が付着した手で女性器に触れることによって、少量の精子が膣内に入り込む可能性があります。実際のところ妊娠の確率は高くありませんが、ゼロではありません。

気づかないうちに付着してしまう可能性があるため完璧に防ぐのは難しいかもしれませんが、可能性があることを知っておくことが大事です。

我慢汁での妊娠はコンドームの着用で防げる

適切にコンドームを着用した場合の避妊失敗率は2.0%（※1）と低く、ほとんど妊娠する心配はありません。

しかしコンドームを装着していても、適切な使い方ができていない場合は、避妊失敗率は18.0%（※1）に上がるため、注意が必要です。

この数字にはコンドームが外れた・破れた場合の妊娠も含まれています。

また、外れた・破れたといったトラブルがなくても、

などで、少ない確率でありながらも妊娠の可能性はあります。

コンドームを使用しても、妊娠を100%防ぐことはできないと覚えておきましょう。

（※1 参考）J-Stage｜研究論文 日本における予定外妊娠の医療経済的評価

我慢汁での妊娠が不安になったときは？

我慢汁での妊娠が不安になったときは、以下の対処法をとりましょう。

順番に解説します。

アフターピルを服用する

我慢汁での妊娠が不安な場合、まずはアフターピル（緊急避妊薬）の服用を検討しましょう。アフターピルは性交後72時間以内に服用することで、避妊効果が期待できる薬です。

性交後アフターピルを服用するまでの時間と、妊娠を阻止できる確率は以下の通りです。

（※1）

早めに服用するほど効果が高いとされています。入手するためには医師の処方が必要なので、心配な場合は早めに受診しましょう。

（※1 参考）日本産婦人科学会｜緊急避妊法の適正使用に関する指針

妊娠したときのことをパートナーと話し合う

万が一妊娠していた場合のことを、パートナーと事前に話し合うことは重要です。

まずは、産むのか産まないのかを決断する必要があります。

もし産む場合は自分たちで育てられるのか、周囲に協力してくれる人がいるかなどについても話し合いましょう。

片方だけが責任を負うのではなく、二人で責任を共有し将来についての選択肢を考えておくことが大切です。

【未成年の場合】親に早い段階で相談する

未成年の場合は、親に早めに相談することが大切です。避妊に有効なアフターピルはできるだけ早いタイミングで服用する必要があるものの、購入には保護者の同意が必要な場合があります。

また、アフターピルはオンライン診療でも入手できますが、親のクレジットカードで決済を行うことでより早く手に入るかもしれません。

時間が経つほど言い出しづらくなり、万が一妊娠した場合には中絶のタイミングを逃す危険性もあります。妊娠している心配があるときは、早い段階で相談しましょう。

我慢汁での妊娠に関するよくある質問

我慢汁での妊娠に関するよくある質問に回答します。

Q.我慢汁と精液は見た目で違いがわかりますか？

我慢汁は透明で、精液は白濁しているため、見た目で違いがわかるでしょう。

ただし我慢汁に精液が混じるケースがあるため注意が必要です。我慢汁に精液が混じっているかどうかは、見た目では判別できません。

Q.安全日に外出しなら妊娠しませんか？

確率は下がりますが、妊娠しないというわけではありません。安全日での行為と外出しは、どちらも確実な避妊とはなりません。

Q.我慢汁が出ていなければ避妊しなくても大丈夫ですか？

出ていないと思っていても、微量の我慢汁が出ている可能性はあるため避妊は必要です。

Q.我慢汁を抑制することは可能ですか？

我慢汁を抑制することは難しいです。性的興奮を感じると無意識に分泌されるものなので、自分ではコントロールできないと考えましょう。

Q.性行為後に膣内を洗浄すれば我慢汁での妊娠は防げますか？

膣内の洗浄で避妊効果は見込めません。もし妊娠の可能性がある場合は、アフターピルを服用するのが推奨されます。

Q.彼が「中に出さなければ大丈夫」と言うのですが…。

我慢汁に精液が混じっている可能性があるため、膣外射精をしても妊娠することはあります。

パートナーにも、我慢汁で妊娠する危険性について説明してみましょう。もし大丈夫と言われても、勇気を持って断ることが大切です。

まとめ

我慢汁に精液が混ざっていた場合、膣内射精をしなくても妊娠する可能性があります。我慢汁での妊娠確率は22%と、決して低くない確率です。

妊娠を望んでいない場合は、挿入の前からきちんとコンドームを装着しましょう。