EDは運動で改善できる?「治った」の声が多い筋トレ・ストレッチまとめ
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更新日:2024年09月30日 公開日:2023年04月24日
「運動不足はEDになりやすいって本当?」
「EDの予防や改善に効く運動はある?」
ED(勃起不全)は中高年男性に多く見られる疾患です。原因はさまざまですが、EDを引き起こす要因のひとつに「運動不足」があります。
この記事では、運動不足がなぜEDに繋がるのかを解説します。EDの予防・改善におすすめの運動もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の監修者
ユナイテッドクリニック総医院長
細田 淳英
【経歴】
平成15年3月 帝京大学医学部卒業平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院
目次
運動不足がEDに繋がるのはなぜ?動脈硬化による血流悪化が主な原因
慢性的な運動不足は、EDに繋がる危険因子(リスクファクター)とされています(※1)。
内臓脂肪が増えることで動脈硬化を引き起こし、勃起に必要な血液が陰茎まで行き届かなくなるからです。
とくに、陰茎動脈は直径約1mmと非常に細く、動脈硬化の影響を最初に受けやすいと言われています。
また、運動不足により肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を発症し、EDの原因となる場合もあります(※1)。
EDを予防・改善するには適度な運動を習慣化することが大切です。
【医師からのコメント】
(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン
ED改善におすすめの運動:有酸素運動
EDの予防・改善にはジョギングやランニングなどの有酸素運動がおすすめです。「ED診療ガイドライン」でも、有酸素運動によって勃起機能が改善するとされています。
有酸素運動は血液の循環を促進することが知られており、EDの主な原因である「動脈硬化による血流悪化」(※1)の改善が期待できます。
ジョギングやランニングは全身運動であるため、血流の改善だけでなく、下半身や体幹の筋肉を鍛えられるのもメリットです。
また、有酸素運動には脂肪燃焼の効果もあります。
脂肪を減らすことで、肥満によるEDを予防するだけでなく、糖尿病などの生活習慣病のリスクを下げる効果も期待できます。
【医師からのコメント】
EDの予防や改善に有効な運動は、ジョギングやウォーキングなどの持久力を使う有酸素運動です。
具体的には一回あたり30〜40分程度で、軽く息が切れる程度のジョギングやウォーキングを週3回以上を目安に続けるようにしましょう。
なお、持病をお持ちの方は自己判断で運動を行うと危険ですので、逆効果とならないように必ず主治医と相談しながら行うようにしましょう。
(※1 参考) MSDマニュアルプロファッショナル版|勃起障害
ED改善におすすめの運動:筋トレ
EDの予防・改善には筋トレもおすすめです。筋トレには男性ホルモンの一種である「テストステロン」の分泌を促す効果があります(※1)。
テストステロンは男性の性機能に深い関わりがあり、テストステロンが増えることで勃起力の向上や、EDの改善が期待できます(※2)。
とくにおすすめは、下半身の筋トレです。下半身の筋トレは骨盤周辺の血流を改善し、EDの改善につながると考えられています。
ED改善におすすめの筋トレは以下の5つです。
- スクワット
- ランジ
- レッグオープン
- ケーゲル体操
それぞれ、詳しく解説します。
【医師からのコメント】
骨盤や肛門付近の筋肉を総称して「骨盤底筋」と呼びます。
恥骨尾骨筋や球海綿体筋といった骨盤底筋群は男性機能と密接に関係しているため、加齢や長時間のデスクワークによって筋力が衰えると、勃起力の低下に繋がります。
したがって、これらの筋肉を筋トレで鍛えることによって勃起力の改善やEDの予防効果が期待できます。
(※1 参考)SERUM STEROID HORMONE RESPONSES TO ACUTE RESISTANCE EXERCISE
(※2 参考)Effects of testosterone on sexual function in men: results of a meta‐analysis
スクワット
スクワットは脚やお尻など、下半身の筋肉全体を鍛えられ、下半身の血流を改善する効果も期待できます。
スクワットのやり方は以下のとおりです。
- つま先を少し外側に向け、足を腰幅程度に広げる
- お尻を後ろに突き出すように、股関節から折り曲げる
- ひざの角度が90度程度になるまでゆっくり下ろす
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
- 2~4を10回程度繰り返す
上記の手順を参考に、1日3セット程度を目安に行うと良いでしょう。
ランジ
ランジは脚を前後に開いて片足ずつ行うトレーニングです。お尻や太ももなど、下半身の多くの筋肉を同時に鍛えられます。
ランジのやり方は以下のとおりです。
- 足を肩幅よりも少し大きい程度に広げる
- 片足を大きく前に出す
- 上体をまっすぐ保ったまま、前に出した脚の膝を曲げる(膝がつま先より前に出ないように注意)
- 後ろの脚の膝が床に近づくまでゆっくりと下ろす
- ゆっくりと元の位置まで戻る
- 1~5を10回程度繰り返す
上記の手順を参考に、左右それぞれを1日3セット程度を目安に行ってください。脚を後ろ側に出すバックランジや、横に出すサイドランジなどのバリエーションもあります。
レッグオープン
レッグオープンは、仰向けの姿勢から両脚を上げて行うトレーニングです。主に太ももの内側の筋肉(内転筋群)が鍛えられ、股関節の柔軟性を向上させる効果もあります。
レッグオープンのやり方は以下のとおりです。
- 仰向けになる
- 膝を伸ばして天井に向かって足を上げる
- 両脚を左右に均等にゆっくりと広げる
- 限界まで脚を広げたら、ゆっくりと元の位置に戻す
- 1~4を15回程度繰り返す
15回を1セットとし、1日3セット程度を目安に行ってください。脚を開閉する際は反動を使わず、筋肉の力だけで動作を行うことがポイントです。
ゲーゲル体操
EDの予防・改善にはケーゲル体操(骨盤底筋体操)が効果的と言われています。
骨盤底筋は、排便や排尿、勃起などをコントロールする筋肉です。ED患者は、健常者と比べて骨盤底筋の収縮力が低い傾向にあるという研究結果があります(※1)。
ケーゲル体操は骨盤底筋を手軽に鍛えられる方法なので、EDの自覚がある方は習慣化してみましょう。
骨盤底筋体操のやり方は以下のとおりです。
- 仰向けに寝て膝を曲げる
- 足を肩幅に開く
- 肛門や尿道あたりを5秒間ぎゅっと締める
- 5秒間脱力する
1クール1分間を目安に、1日10セット程度を目安に行うと良いでしょう。
筋トレはセックスの満足度を向上させる?
筋トレはED改善だけでなく、セックスの満足度を向上させることにも繋がります。
セックスは勃起力だけでなく、体力や持久力も必要な全身運動だからです。
勃起はしてもピストン運動を行う持久力がなく、セックスの途中で疲れ果ててしまった経験をお持ちの男性も多いのではないでしょうか。
筋トレによって体力や持久力が向上すれば、体位の変化や長時間のセックスにも対応できるようになります。
また、筋トレによって身体の見た目に変化が起こることで、自分に自信を持てるようになり、より積極的にセックスに取り組むことができるでしょう。
ED改善におすすめの運動:ストレッチ
股関節まわりのストレッチを行うことで、骨盤周辺の筋肉が柔軟になり、陰茎に血液が流れやすくなることが期待できます。
とくにデスクワークが多い方や普段ほとんど運動をしない方は、骨盤周りの筋肉が凝り固まり、血流が悪化している可能性があります。
おすすめは、脚を広げて前屈する開脚ストレッチです。
以下の手順を参考に、開脚ストレッチを行ってみましょう。
- 両脚を大きく開いて床に座る(無理のない範囲でOK)
- 背中が丸まらないよう注意しながら、伸ばした脚の方へ上体を倒す
- 反対側も同様に行う
開脚ストレッチはお風呂上がりなど、血行が良い状態で行うとより効果的です。お風呂上がりの習慣として毎日続けてみてはいかがでしょうか。
運動と合わせて実施したいEDの予防・改善法
EDの原因は多岐にわたるため、運動だけで完全に改善するのは難しいでしょう。
ここからは、運動と合わせて実施したいEDの予防・改善法について解説します。
- 栄養バランスの良い食生活を心がける
- 睡眠時間をしっかり確保する
- 過度の飲酒を避ける
- 禁煙する
- ED治療薬を服用する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
①栄養バランスの良い食生活を心がける
EDの予防・改善には、栄養バランスの良い食生活が欠かせません。
栄養バランスが乱れた食生活を続けていると、血液中の脂質や糖質が増えて血液がドロドロになり、陰茎に血液が流れにくくなります。
とくに脂質の多いジャンクフードなど、高カロリー食の食べ過ぎには注意が必要です。肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病の方は、EDになりやすいとされています(※1)。
なお、EDの予防・改善におすすめの栄養素は以下のとおりです。
栄養素 | 食品例 |
---|---|
亜鉛 | 牡蠣やレバーなど |
シトルリン | スイカやメロンなど |
DHA・EPA | サバやサンマなど |
ビタミンE | アーモンドやアボカドなど |
上記の食材を積極的に取り入れ、栄養バランスの良い食生活を心がけてみましょう。
(※1 参考) MSDマニュアルプロファッショナル版|勃起障害
②睡眠時間をしっかり確保する
睡眠が不足しがちな方は、十分な睡眠時間を確保することで、EDの予防・改善が期待できます。睡眠中はテストステロンが多く分泌されるからです。
テストステロンは性機能に深い関わりのある男性ホルモンで、テストステロンが増えると勃起力の向上に繋がると言われています(※1)。
海外の研究では、5時間以下の睡眠を1週間続けた結果、テストステロンの分泌量が10~15%程度低下したと報告されています(※2)。
最低でも1日6〜7時間程度は睡眠時間を確保するようにしましょう。
(※1 参考)Effects of testosterone on sexual function in men: results of a meta‐analysis
(※2 参考)Sleep loss lowers testosterone in healthy young men – UChicago Medicine
③過度の飲酒を避ける
飲酒習慣とEDの発症率に関連性があるという臨床データはありませんが、慢性的な飲酒が肥満や動脈硬化に繋がるのは事実です。
肥満や動脈硬化などの生活習慣病はEDのリスクファクター(※1)なので、過度な飲酒は避けましょう。
1日あたりの飲酒量は、純アルコール換算で20g程度が適量(※2)とされています。
【お酒の種類(アルコール度数)1日の摂取量の目安】
ビール(5%) | 500ml(ロング缶or中瓶1本) |
---|---|
焼酎(25%) | 100ml(グラス1/2杯) |
ワイン(12%) | 200ml(グラス2杯弱) |
ウイスキー(43%) | 60ml(ダブル1杯) |
※2
ただし、アルコールにはリラックス効果があるため、性行為の前に少量飲む程度であれば、逆に良い方向に働く可能性もあります。
(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン
(※2 参考)厚生労働省|アルコール
④禁煙する
「ED診療ガイドライン 」では、ED患者に対して禁煙指導を行うことが強く推奨されています。
喫煙は動脈硬化を引き起こすだけでなく、ニコチンによる血管収縮作用もあるためです。
禁煙することでがんや脳卒中、心筋梗塞など、さまざまな病気のリスクを下げることもできます。今後の健康のためにもぜひ、禁煙してみてはいかがでしょうか。
⑤ED治療薬を服用する
ED治療薬とは、性行為の前に服用することで、一時的に勃起力や持続力を高める薬です。即効性があり、安全性も高いことから、ED治療の第一選択として推奨されています(※1)。
代表的なED治療薬は以下のとおりです。
バイアグラ | レビトラ | シアリス | |
---|---|---|---|
特徴 | 世界的に知名度のあるED治療薬 | 即効性が高い | 作用時間が長い |
ジェネリックの名称 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
効果が現れるまでにかかる時間 | 30分~1時間 | 15分~30分 | 1~3時間 |
効果の持続時間 | 3~5時間 | 5~8時間 | 30~36時間 |
食事による影響 | 受けやすい (空腹時の服用が推奨される) |
やや受けにくい | 受けにくい |
なお、ED治療薬は国内では医療用医薬品に指定されています。通販サイトなどでの購入は、偽造薬による健康被害などのリスクがあり危険です(※2)。
EDにお悩みの方、ED治療薬の処方が必要な方はクリニックまでご相談ください。
電話診療(オンライン診療)のご案内
(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン
(※2 参考)厚生労働省|医薬品等を海外から購入しようとされる方へ
EDの改善・予防は運動含め生活習慣の見直しが重要
運動不足はEDを引き起こす要因となります。
EDの予防・改善には、以下のような運動がおすすめです。
- 有酸素運動(ジョギング、ランニングなど)
- 筋トレ(スクワットなど)
- ケーゲル体操(骨盤底筋体操)
- 開脚ストレッチ
また、運動だけでなく食生活や睡眠、飲酒、喫煙など、生活習慣を全体的に見直すことがED予防・改善に繋がります。まずはできるところから見直していきましょう。
すぐにでも勃起力を取り戻したい方は、クリニックでのED治療も検討してみてください。
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月曜~土曜 | 11:00~20:00 |
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日曜日・祝日 | 10:00~17:00 |
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実際に当院へ来院されるED患者さまの中には、運動不足の方が多く見受けられます。
運動不足はEDの原因となるだけではなく、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の大きな要因のひとつでもあります。
そのため、診察の中で運動不足の患者さまには適度な運動をお勧めしています。