コックリング（ペニスリング）の使い方は？注意点や素材ごとの特徴も解説

コックリングとは？ペニスに装着するリング状の性具

コックリングは、男性のペニスや睾丸に装着するリング状の性具です。

装着することで血流を制限し、勃起時間を延ばす効果や、性的快感を高める効果が期待できます。

コックリングの起源は古く、古代中国では勃起を維持する目的で、リング状の性具が使用されていたといわれています。

また、古代ギリシャでは、ペニスを固定して美しく見せるために「キュノデスメ」と呼ばれる革紐が使用されていました（※1）。

現代ではバイブレーターを内蔵したコックリングや、パートナーのクリトリスを同時に刺激できるコックリングも登場し、双方の性的快感を高めるアイテムとしても使用されています。

【医師からのコメント】

コックリングを適切に使用できるのであれば問題ありませんが、長時間使用したり締め付けが強いものを使用したりすると、ペニスが壊死したり神経を傷つけたりする恐れがあります。

自己判断で使用すると思わぬ健康被害を起こす場合がありますので、医師と相談の上で使用するようにしましょう。

（※1 参考）The Ideal Prepuce in Ancient Greece and Rome: Male Genital Aesthetics and Their Relation to Lipodermos, Circumcision, Foreskin Restoration, and the Kynodesme

コックリングの使い方と期待できる効果

コックリングの使い方と期待できる効果を、以下の3つのケースに分けて解説します。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

ペニスの根元に装着する場合

ペニスの根本に装着する場合は、ルートタイプやルートリングと呼ばれる内径約38〜50mmのコックリングを使用します。

ルートタイプのコックリングで期待できる効果は、以下のとおりです。

装着の際は、ペニスが勃起状態のときにリングを根元（陰嚢の裏側）まで滑らせて固定します。

亀頭部分に装着する場合

亀頭部分に装着するコックリングは「グランスリング」と呼ばれます。内径が約24〜33mmのものが一般的です。

グランスリングを亀頭部分（亀頭の下）に装着すると、血流が亀頭に集中し、亀頭のサイズアップが期待できます。

装着の際はペニスが勃起した状態（※）で、リングを亀頭の下に慎重に固定します。

※金属製リングなど、勃起していない状態での装着が推奨されている製品もあります

陰嚢部分に装着する場合

陰嚢（いんのう）部分に装着する場合は、ボールリングやボールストレッチャーと呼ばれる内径約28〜35mmのものを使用します。

ボールリングは陰嚢が冷えて縮むと装着しにくいため、暖かい場所で装着しましょう。射精時間が長くなり、射精時の快感向上が期待できます。

また、金属製のボールリングではその重さによって陰嚢が垂れ下がり、陰嚢を大きく見せる効果も期待できます。

コックリングを使用する際の注意点

コックリングを使用する際は、以下の点に注意しましょう。

正しく使用しないと、血行不良やペニスの神経損傷を引き起こすこともあります。

それぞれ、詳しく解説します。

使用時間は30分以内を目安にする

コックリングの使用時間は30分以内を目安とし、それ以上の長時間の使用は避けてください。

コックリングは血流を妨げるため、長時間使用するとうっ血を引き起こす可能性があります。

血流が滞ることで、ペニスに十分な酸素が供給されなくなり、最悪の場合は壊死を招くこともあります。

また、繰り返し使用する際には、間隔を十分に空けてペニスを休ませてください。

皮膚の色や感覚に異常がないかチェックし、違和感がある場合は無理に再度使用しないようにしましょう。

輪ゴムや紐などで代用しない

コックリングを使用する際には、輪ゴムや紐などの代用品ではなく、必ず専用の製品を使用しましょう。

輪ゴムや紐は、コックリングとして使用することを想定されていないため、血流を制限し過ぎてしまう可能性があります。

とくに、輪ゴムのように細く弾力がある素材は皮膚に食い込みやすく、血管や神経を過度に圧迫する恐れがあるため危険です。

一方で専用のコックリングは、適度な締め付け具合を保ちながら、血流を完全に遮断しないように設計されています。

健康と安全を第一に考え、必ず専用の製品を選び、代用品は使わないでください。

【医師からのコメント】

勃起したペニスを輪ゴムや紐で無理やり圧迫すると、血管や神経を過度に圧迫してしまうリスクがあります。

専用のコックリングが手元にない場合でも、輪ゴムや紐で代用しないようにしましょう。

自分に合ったサイズを選ぶ

コックリングを安全で快適に使用するためは、自身のペニスのサイズを測定し、適切なサイズを選ぶことが大切です。

サイズが合わないと、痛みや怪我の原因になったり、効果が十分に得られなかったりする可能性があります。

測定が必要なのはペニスの直径です。ペニスの直径は、紐や柔らかいメジャーを使用して以下の方法で測定できます。

▼紐を使って測定する場合

▼柔らかいメジャーを使って測定する場合

たとえば、ペニスの周囲が10cmの場合、直径は10÷3.14=約3.2cmとなります。

初めてコックリングを使用する場合やサイズ選びに不安がある場合は、サイズ調整可能なコックリングを使用するのも一つの方法です。

装着したまま眠らない

コックリングを装着したまま眠ることは避けてください。

装着したまま眠ると血流が滞り、ペニスの損傷や壊死の原因となります。

とくに睡眠中は痛みやしびれに気づかないことが多く、危険な状態に陥ってもすぐに対処できません。

同様の理由で、泥酔状態でのコックリング使用も危険です。痛みや違和感に対しての感覚が鈍くなり、取り外すのを忘れてしまう可能性もあります。

コックリングは睡眠前に必ず取り外し、酔った状態では使用しないようにしましょう。

ペニスに違和感が現れたらすぐに外す

コックリングの使用中に痛みや違和感を生じた場合は、すぐに取り外してください。

痛みや違和感は、神経や血管が圧迫されているサインです。締め付けが強過ぎると、血管や神経にダメージを与え、ペニスに長期的な悪影響が出ることもあります。

使用中は定期的にペニスの感覚や色を確認しましょう。ペニスが冷たくなったり、色が変わったりした場合はすぐに取り外してください。

「多少の違和感なら大丈夫」と無理をしてしまうと、後で深刻なトラブルにつながることがあります。

コックリングの素材ごとの特徴

コックリングにはシリコンや金属、レザーなどさまざまな素材の製品があり、それぞれ以下のような特徴があります。

初めてコックリングを使用する方は、伸縮性が高く装着しやすいシリコン製のコックリングがよいでしょう。

金属製はしっかりとした締め付け感が得られるものの、サイズ調整が効かないため、自分のサイズに合った製品を正確に選ぶ必要があります。

コックリングの形状や機能の違い

コックリングは基本型やボール型、調節可能型、さらには振動機能付きなど、さまざまな形状があります。

代表的な形状・機能とその特徴は以下のとおりです。

用途や好みに応じて、最適な形状・機能を選びましょう。

コックリングのリスク

コックリングは正しく使用しないと、以下のような健康リスクを引き起こす可能性があります。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

陰茎絞扼症

コックリングを長時間使用すると、陰茎絞扼症（いんけいこうやくしょう）を引き起こす可能性があります。

陰茎絞扼症とは、過度な締め付けや長時間の装着によって陰茎への血流が制限され、組織が損傷してしまう状態のことです。

血液が戻らない状態が続くと、陰茎の細胞が酸素不足に陥り、組織の壊死につながります。

コックリングの使用時間は30分以内を目安にし、装着中に違和感や痛みがある場合は、すぐに取り外すことを心がけましょう。

持続勃起症

持続勃起症とは、ペニスの血液が正常に流れず、4時間以上も勃起が続く状態のことです。

コックリングの長時間使用によって、血液がペニスに溜まり過ぎ、逆流できなくなることで起こります。

持続勃起症は緊急処置が必要な症状です。放置すると勃起不全などの深刻な後遺症を引き起こす可能性があります。

もし勃起が2時間以上続いている場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。

逆行性射精

コックリングの使用により、逆行性射精が引き起こされることがあります。

逆行性射精とは、射精時に精液が尿道を通らず、膀胱に逆流してしまう症状です。

逆流した精液は後に尿と一緒に排出されるため健康に害はありませんが、男性不妊の原因となります。

コックリングを使わないED改善方法

勃起の持続時間や硬さに不満がある場合は、医療機関でのED治療をおすすめします。

ED治療には、主に以下の3つの方法があります。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

ED治療薬

ED治療薬は、性的刺激を受けた際にペニスの血流を改善し、勃起を促進する薬です。

その効果と安全性の高さから、日本性機能学会・日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン」では第一選択の治療法として推奨されています。

代表的なED治療薬は、以下の3種類です。

	バイアグラ（※1）	レビトラ（※2）	シアリス（※3）
特徴	世界初のED治療薬で比較的安い	最短15分で効き始める即効性	最長36時間の効果時間
有効成分	シルデナフィル	バルデナフィル	タダラフィル
効果が現れるまでの時間	30分～1時間	15分～30分	30分～1時間
効果の持続時間	約4～6時間	約4～6時間	約24～36時間
食事の影響	受けやすい	比較的受けにくい	ほとんど受けない

なお、ユナイテッドクリニックでは、ED治療薬を1錠から処方しています。

初診からお電話での診療（オンライン診療）も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

更新日：2024年11月18日 公開日：2023年08月31日

ED治療薬はどれがおすすめ？各勃起薬の効果の強さ・効果発現の早さ・持続性などの観点から解説

（※1 参考）ヴィアトリス製薬｜医薬品インタビューフォーム
（※2 参考）バイエル薬品｜レビトラ添付文書
（※3 参考）日本新薬｜シアリス添付文書

衝撃波治療

衝撃波治療は、陰茎に低強度の衝撃波を当てて血流を改善し、血管の若返りや新たな毛細血管の生成を促す治療法です。

ED治療薬の効果が実感できない方や、副作用で薬を服用できない方に適しています。

費用は高額で総額20～40万円程度かかりますが、副作用が少なく、痛みもほとんどないのが特徴です。

更新日：2023年09月28日 公開日：2023年09月28日

EDの衝撃波治療とは？効果や費用相場、メリット・デメリットを解説

陰圧式補助具

陰圧式補助具は、陰茎に陰圧をかけて血流を促し、勃起を補助する医療機器です。

薬を使用しないため、ED治療薬が効かない方や、併用禁忌薬を服用している方でも使用できます。

使用方法は陰茎を筒に挿入し、ポンプを使って陰圧をかけます。すると血液が陰茎に引き寄せられ、勃起が誘発される仕組みです。

勃起した後はゴムバンドを使用して血液の逆流を抑え、勃起を維持します。

締め付けによる不快感や、中断によって性行為のムードが損なわれる点がデメリットです。

まとめ

コックリングは正しく使用すれば、血流を制限して勃起を維持する効果が期待できます。

ただし、うっ血のリスクがあるため、使用時間は30分以内を守り、違和感が現れたらすぐに外すことが大切です。

また、勃起力の維持が目的の場合は、コックリングではなくED治療を検討しましょう。

ED治療はいくつか方法がありますが、まずは安全性が高く、薬を服用するだけで効果が期待できるED治療薬をおすすめします。