「妻だけED」はなぜ起こる？嫁にだけ勃起しない・中折れする理由や治し方を解説

妻だけEDは「心因性ED」のひとつ

妻だけEDは、主に心理的要因が原因となって起こる「心因性ED」の一種です。

妻だけEDは「自慰行為や他の相手との性行為は問題なく行える」という特徴があるため、身体的な問題ではなく、心の状態が影響していると考えられます。

心因性EDが起こる原因として、以下のようなものがあります。

妻だけEDを含め、心因性EDを治すにはこれらの心理的要因を理解し、適切なアプローチで解決することが大切です。

【医師からのコメント】

妻だけEDが起こってしまう理由

妻だけEDは心因性EDの一種で、以下のような理由により起こる可能性があります。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

【医師からのコメント】

妻との性行為が義務化している

妻だけEDは、妻との性行為が義務化していることが一因となって起こる可能性があります。

性行為が義務化している状況では、性行為に対する興奮や喜びがなくなってしまうからです。

たとえば妊活中の夫婦である場合、妊娠を希望する両親や周囲からのプレッシャーがかかることにより、性行為を義務と感じることがあります。

性欲がない日であっても「妊活のために今日もしないといけない」という気持ちから、性行為に楽しさや喜びを感じなくなってしまうのです。

妻との性行為がマンネリ化している

妻との性行為がマンネリ化していることも、妻だけEDの主な原因です。

性行為が毎回同じパターンやルーティンになってしまうと、新鮮さや刺激が欠けてくるため性的興奮を感じにくくなります。

たとえば、夜寝る前に寝室で性行為をする夫婦は多いかもしれませんが、何度も繰り返すうちに「なんだか物足りない」と感じてくることもあるでしょう。

マンネリの解決にはお互いの性的な欲求や好みを理解し、新しいアイデアを取り入れる必要があります。

妻に性的興奮を感じなくなっている

妻だけEDは、妻に対して性的興奮を感じなくなってしまっているサインかもしれません。

結婚生活が長く続くと、妻を性的な対象としてではなく、母親や家庭を支えるパートナーとして認識してしまうことがあります。

また、加齢や出産による体型や肌の変化も性的興奮を減少させる要因となります。

このような認識や状況の変化により、妻に対して以前のような性的な欲求や興奮を感じにくくなると、妻だけEDが起こってしまうのです。

妻が自分を受け入れてくれない

「妻が自分を受け入れてくれない」と感じることで、妻だけEDになる可能性があります。

妻が性行為に消極的な態度を示すことで、「求められていない」「男としての魅力がなくなった」と感じて自信を失い、EDを発症してしまうのです。

解決にはお互いの気持ちや欲求に対してオープンに話し合い、夫婦間のコミュニケーションを改善することが必要不可欠です。

過去の失敗がプレッシャーになっている

過去の失敗が不安やプレッシャーとなり、妻だけEDを引き起こすことがあります。

勃起は副交感神経が優位なリラックスした状態で起こるため、不安やプレッシャーで緊張して交感神経が優位になると、勃起しにくくなってしまうのです。

たとえば、過去に妻を満足させられなかった経験や、途中で性行為が中断された経験があると、性行為に対して不安やプレッシャーを抱く原因となります。

不安やプレッシャーで勃起できず、また失敗を繰り返せば、次はさらに不安とプレッシャーが大きくなる悪循環に陥る恐れもあるでしょう。

【既婚男性250名に聞く】妻だけEDに関するアンケート調査

実際にどれくらいの男性が結婚後の勃起力低下を感じているのか、アンケート調査を実施しました。

男性の76.8%が結婚後に勃起力の衰えを感じている

4人に1人以上が結婚してから勃起力の衰えを実感しており、その割合は年代が上がるごとに増えていきます。

もちろん、勃起力が衰える原因は妻だけED（心因性ED）によるものだけではありませんが、結婚してから年月が経てば経つほど妻だけEDのリスクは増すと考えられます。

勃起力が衰えた原因・きっかけとして思い当たるのは「加齢による肉体面の衰え」が最多

結婚後に勃起力が衰えた原因・きっかけについて、もっとも思い当たるとされたのが「歳を重ねるごとに、肉体面が衰えてきたから」でした。

肉体面が原因で起こるEDは「器質性ED」と呼ばれ、心因性EDとは異なります。

ただし、多くの症例では器質性と心因性が同時に発生するとされています（※1）。肉体面の衰えにパートナー間の問題が重なり、妻だけEDとなるケースは多いといえるでしょう。

（※1 参考）：日本性機能学会／日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン」

9割以上の既婚男性が、性行為における勃起力を取り戻したいと考えている

結婚後に勃起力の衰えを実感している男性のうち、9割以上が「勃起力を取り戻したい」と回答しました。

たとえ既婚だろうと、「いつまでの性行為を楽しめる身体でいたい」「男としてのバイタリティを維持したい」と考える男性は多いようです。

妻だけEDはただの勘違いのケースも

妻に対して勃起できないと感じている場合でも、必ずしも心因性ED（心理的要因によるED）が原因とは限りません。

そもそも勃起力は年齢とともに衰えることが一般的です。とくに30代以降の男性は器質性ED（血管や神経の異常によるED）も考慮すべきでしょう。

当クリニックが行った調査では、30代以降の男性の約8割が勃起力の衰えを感じていると報告されています（※1）。

「相手が妻だから」と決めつけず、一度医師の診察を受けることも検討すべきです。

（※1 参考）@Press｜“勃起力の衰え”に関するアンケート調査を実施 30代以降の男性202名に聞いたリアルな勃起事情

妻だけEDの治し方

妻だけEDを治すには、以下の方法を試してみましょう。

それぞれ、詳しく解説します。

症状について打ち明けて二人で話し合う

妻だけEDに悩んでいる場合はひとりで抱え込まず、妻に打ち明けて二人で話し合うことが解決に向けた第一歩となります。

EDの症状を正直に打ち明けることで、パートナーとの信頼関係が深まり、心の負担が軽減されるでしょう。一緒に医師の助けを求める決断もしやすくなります。

相手に対して非難や批判をせず、相談を通じてお互いの気持ちを理解し合うことが重要です。

感情を尊重し、支え合う姿勢が解決への道を開きます。

【医師からのコメント】

性行為の場所や環境を変えてみる

性行為の場所や環境を変えることは、マンネリによる妻だけEDに対して有効な方法です。

場所や環境を変えることで新たな刺激となり、性的興奮を高める効果が期待できます。

たとえば、旅行したり、ホテルに宿泊したりすることで、日常とは異なる環境で性行為を楽しむことができるでしょう。

浴室やリビングルームなど、性行為を行う場所のレイアウトを変えることも有効です。

寝室にロマンチックな照明や装飾などを取り入れてみるのもよいでしょう

性行為の時間帯を変えてみる

妻だけEDの改善には、性行為の時間帯を変えることも有効です。

時間帯を変えることで新しい刺激が生まれ、性的興奮を高める効果が期待できます。

とくに朝は身体のエネルギーレベルが高く、ホルモンの分泌も活発な時間帯です。

夜に仕事の疲れでEDが起こりやすい方は、ときどき朝や昼間に性行為をしてみてはいかがでしょうか。

ただし、性行為の時間帯を変える際にはパートナーとしっかり相談し、互いの体調や生活スケジュールを考慮した時間帯を選ぶことが大切です。

二人きりでデートをする

二人きりでデートをすることも、妻だけEDに効果的なアプローチのひとつです。

デートの終わりに自然な流れで性行為をすることで、デートそのものが前戯として機能し、お互いの気持ちを高めることができます。

デートの内容は、お互いに楽しめる場所やアクティビティを選ぶことが重要です。

レストランで美味しい食事を楽しんだり、趣味や興味を共有するイベントに参加したりして、楽しいひと時を過ごしましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣の見直しは、ED治療において重要なアプローチのひとつです。

「ED診療ガイドライン」においては、肥満者に対する運動指導と、喫煙者に対する禁煙指導が強く推奨されています。

肥満や運動不足、喫煙はEDのリスクを高めることがわかっており、肥満は標準体型よりも1.7倍（※1）、喫煙者は非喫煙者よりも1.51倍（※2）EDのリスクが高いと報告されています。

妻だけEDは主に心理的な要因によるものですが、30代以降は身体的な要因が複合しているケースも珍しくありません。

EDが治る可能性を高めるために、健康的な食事と運動、禁煙を心がけましょう。

（※1 参考）A prospective study of risk factors for erectile dysfunction
（※2 参考）Smoking and risk of erectile dysfunction: systematic review of observational studies with meta-analysis

妻と一緒にカウンセリングを受ける

妻だけEDの治療で医療機関を受診する際は、妻と一緒にカウンセリングを受けることをおすすめします。

カウンセリングは、夫婦間のコミュニケーションを改善するための貴重な機会です。

EDの症状に対して正直に話し合い、お互いの気持ちや考えを理解し合うことで、関係をより深めることができます。

「ED診療ガイドライン」においても、EDの診察ではパートナーを評価・治療方針の決定に関与させることが望ましいとされています。

※当院ではパートナー同伴のカウンセリングは行っておりません

当院における妻だけEDの診療

妻だけEDは心理的・身体的な要因が複雑に絡み合う場合が多いため、適切な診断と治療が必要です。

当院では、「妻にだけ勃たない」というお悩みを抱える患者様に対して、以下の治療を提案しております。

それぞれの治療の概要について、詳しく解説します。

ED治療薬（内服薬）

ED治療薬は、ED治療の第一選択肢として推奨されている方法です（※1）。

ED治療薬は血管を拡張させ、陰茎の血流を増加させることで勃起を促す効果があり、妻だけEDをはじめ心因性EDにも有効とされています。

主なED治療薬は以下の3種類です。

ただし、ED治療薬は服用した時にのみ効果が現れるものであり、EDを根本的に治すものではありません。

妻だけEDの根本的な改善はED治療薬に加え、生活習慣の改善や心理的な問題の解決、パートナーとのコミュニケーションなどが必要となります。

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（※1 参考）日本性機能学会／日本泌尿器科学会｜ED診療ガイドライン

衝撃波治療（レノーヴァ）

衝撃波治療（レノーヴァ）は、低強度の衝撃波を陰茎に照射することで、血管を再生・新生する治療法です。1回20分程度の施術を週1回、合計4～6回程度行います。

陰茎への血流が改善され、勃起機能を回復させる効果が期待できます。

妻だけEDに悩む方の中には、持病でED治療薬を服用できない方や、体質的に薬の効果が現れにくい方も少なくありません。

レノーヴァは血管そのものを再生するため、治療薬とは違うアプローチで改善が期待できます。

当院では上野駅前院（ユニティクリニック）にてレノーヴァの診察を受け付けています。

陰圧式勃起補助具（ビガー2020）

陰圧式勃起補助具（ビガー2020）は、陰圧（真空）を利用して陰茎に血流を促し、勃起を補助する医療機器です。

妻だけEDでは、妻との関係で生じるプレッシャーや失敗体験の記憶が原因となることが多いです。

ビガー2020は即効性があり、使用後すぐに勃起が得られるため、性行為に自信を持てるようになります。

副作用のリスクが低く、ED治療薬が服用できない方も安心して使用できます。

妻だけEDは二人で協力して解決を目指そう

妻だけEDは心因性EDの一種で、主に心理的な要因で起こる症状です。性行為の義務化やマンネリ化、心の問題などが影響している可能性があります。

解決策としては、まず夫婦で症状について話し合うことが大切です。

性行為の場所や時間帯を変えたり、二人きりでデートをしたりするなど新たな刺激を取り入れてみましょう。

生活習慣の見直しやED治療薬の服用、心理カウンセリングもよい選択肢です。妻だけEDの解決に向けて、夫婦で協力し合いましょう。

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