30代でEDになることはある?勃たない原因や治し方について解説

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更新日:2024年11月23日 公開日:2023年09月27日

この記事の監修者はユナイテッドクリニックの細田 淳英です。

「30代を迎えてから、勃起力が衰えてきた気がする」

「昔は全く問題なかったのに、最近になって性行為中に中折れすることが増えた」


このような性生活の悩みを抱える方は、30代ごろから増える傾向にあります。


30代は加齢に伴う男性ホルモン量の低下や、体脂肪の増加などの身体的要因により、EDのリスクが高まる時期です。


また、結婚や妻の出産、仕事の変化など、社会的な責任が増えることでストレスが増加し、EDにつながるケースも珍しくありません。


そこで今回は30代のEDについて、原因や治し方を詳しく解説します。EDを克服し、快適な性生活を送りましょう。

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この記事の監修者

ユナイテッドクリニック総医院長

細田 淳英

【経歴】

平成15年3月 帝京大学医学部卒業
平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院

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30代からED気味になる男性は多い

勃起力の衰えを感じ始めたのはいつ頃からですか?

当院が実施したアンケートによると、勃起力の衰えを感じ始める年齢は「30代後半」が最も多い結果となりました(※1)。

勃起力が衰える原因としては、30代後半~40代以降に起こる男性ホルモンの減少や動脈硬化の進行などが影響している可能性が考えられます

「勃起しても途中で萎える」「勃起時の硬さが足りない」などが最初に現れる予兆です。

中折れや挿入時の萎えなど、勃起力の衰えが原因で性交渉に失敗した経験を持つ男性も多く、失敗経験がきっかけで心因性ED(精神面が原因のED)になる方もいます

しかし、30代のEDはまだ軽〜中程度である場合が多く、適切な治療によって改善できる可能性があります。

性生活の満足度を取り戻すために、早めの対策を検討してみてはいかがでしょうか。

【医師からのコメント】

当院を訪れる30代の患者さまは、勃起はするものの硬度不足や中折れといった症状で悩んでいらっしゃる方が多い傾向にあります。

30代の患者さまからは「昔は大丈夫だったのに、最近になって最後まで勃起を維持できなくなった」という悩みをよく聞きます。

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(※1 参考)@Press|“勃起力の衰え”に関するアンケート調査を実施 30代以降の男性202名に聞いたリアルな勃起事情

30代のEDの原因は?勃たないのには身体的な要因と心理的な要因の両方が考えられる

EDの原因は身体的な要因と心理的な要因の両方

EDの原因は大きく以下の4つに分けられ、30代はいずれのEDも起こる可能性があります。

EDの種類 説明
器質性ED 血管・神経など身体的な原因によって引き起こされるED
心因性ED 心理的な要因によって引き起こされるED
混合性ED 器質性EDと心因性EDが組み合わさったED
薬剤性ED 薬の副作用によるED

具体的には、以下のような要因がEDにつながると考えられます。

  1. 不健康な食事や運動不足による肥満
  2. 糖尿病や高血圧などの慢性疾患
  3. 加齢によるテストステロンの低下(男性更年期障害)
  4. 心理的な要因
  5. 薬の副作用
  6. 喫煙

それぞれ、詳しくみていきましょう。

1.不健康な食事や運動不足による肥満

不健康な食事と運動不足は、EDのリスクを高めることがわかっています。

肥満や動脈硬化を引き起こし、勃起に必要な陰茎への血流を悪化させてしまうからです。

米国の研究によると、肥満(BMIが30kg/m2以上)の人は、普通体型の人(BMIが23kg/m2以下)に比べて1.7倍EDになりやすいことが報告されています(※1)。

とくに30代は、多くの人が仕事や家庭の忙しさに追われ、健康管理が後回しになりがちです。

健康な生活を送るためにも、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることが大切です。

(※1 参考)A prospective study of risk factors for erectile dysfunction

2.糖尿病や高血圧などの慢性疾患

糖尿病や高血圧症などの生活習慣病は、器質性EDの主な原因とされています。

糖尿病による高血糖状態や高血圧が血管に負担をかけ、陰茎の神経や血管組織にダメージを与えてしまうからです。

海外の研究では糖尿病患者は2.88倍(※1)、高血圧患者は1.74倍(※2)EDになりやすいことがわかっています。

年齢を増すごとに生活習慣病のリスクは高まるため、30代以降は健康管理がますます重要です。

糖尿病や高血圧を患っている方は症状をしっかりと管理し、健康を維持することがEDの予防・改善につながります。

(※1 参考)Men’s Health Study – Epidemiology of Erectile Dysfunction and Cardiovascular Disease
(※2 参考)Hypertension might be a risk factor for erectile dysfunction: a meta-analysis

3.加齢によるテストステロンの低下(男性更年期障害)

30代のEDの原因として、男性更年期障害(LOH症候群)の可能性が考えられます。

男性更年期障害とは、男性ホルモン(テストステロン)の量が加齢に伴い低下することで引き起こされる疾患です。

男性ホルモン(テストステロン)の分泌量の変化

主な症状は以下のとおりです(※1)。

  • ED(勃起不全)
  • 性欲低下
  • 全身の倦怠感と疲労感
  • イライラや不安
  • めまい

など

これらの症状が頻繁に見られる場合、男性更年期障害の可能性が高いです。

テストステロンは加齢とともに自然に減少するため、早い方は30代後半ごろから症状があらわれます

(※1 参考)日本泌尿器科学会|加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き

4.心理的な要因

心因性EDの原因

心理的な要因により発症するEDは「心因性ED」と呼ばれ、大きく以下の3つに分類されます。

心因性EDの分類
現実心因 日常生活でのストレスや不安、性行為に対するプレッシャーなど
深層心因 トラウマや性的な嫌悪感、幼少期の性的な経験など
精神疾患 うつ病や不安神経症など

30代は家庭や仕事の責任が増える時期であり、精神的なストレスを感じることで心因性EDになる可能性があります。

たとえば、仕事のプレッシャーや競争によるストレス、結婚や子育ての責任などが、30代特有の要因と言えるでしょう。

さらに、心因性EDやストレスが原因となって生活習慣が乱れ、器質性EDを合併する場合もあります。

5.薬の副作用

服用している薬の副作用によって、EDが起こる場合もあります。

代表的なものは抗うつ薬や抗不安薬です。これらの薬には性欲減退の副作用が報告されており、EDに原因となる可能性があります。

ただし、EDの症状が薬の副作用によるものであっても決して自己判断せず、まずは担当医に相談することが大切です。

薬物の使用を中止することは、その他の健康上の問題を引き起こす可能性があります。

6.喫煙

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、EDのリスクを高めることがわかっています。

海外の研究によると、喫煙者は1.51倍EDになりやすいことが示されています(※1)。

また、当院が男性265名を対象に行った調査では、喫煙習慣のある男性の6割以上が勃起力の衰えを感じていると回答しました(※2)。
喫煙
喫煙がEDの発症リスクを高めるだけでなく、既に勃起力に問題を抱えている人の割合も多いことがわかります。

30代男性では、およそ3人に1人が喫煙者です(※2)。禁煙はEDの予防や改善に向けて重要なステップといえるでしょう。

(※1 参考)Smoking and risk of erectile dysfunction: systematic review of observational studies with meta-analysis
(※2 参考)ユナイテッドクリニック|喫煙とEDに関するアンケート調査を実施 喫煙習慣のある男性の6割以上が勃起力の衰えを感じている
(※3 参考)厚生労働省|国民健康・栄養調査(令和元年)

器質性EDかどうかは朝立ちの有無で判断できる

自身が器質性ED(血管や神経など身体的な問題で起こるED)であるかどうかは、朝立ちの有無で判断できます。

糖尿病や高血圧などにより動脈硬化が進むと、陰茎の血管や神経が障害を受けて朝立ちが起きなくなるからです。

朝立ちがあるのは、勃起に必要な身体の機能(血管や神経)が健康である証拠と言えます。

逆に朝立ちがなくなってきたと感じるようなら、血管や神経など身体的な問題によってEDが発症している可能性を疑いましょう。

30代のEDの治し方は?勃たない原因に合わせたアプローチが大切

30代のEDの原因はさまざまであり、以下のような方法を原因に応じて組み合わせる多角的なアプローチが求められます。

  1. ED治療薬を服用する
  2. 適度な運動を習慣にする
  3. 健康的な食事を心がける
  4. 禁煙する
  5. 原因となる疾患を治療する

それぞれ、詳しくみていきましょう。

【医師からのコメント】

30代でED気味な方は、特に適度な運動や健康的な食事を意識しましょう。

運動習慣や食生活を見直して対策を心掛ければ、今からでもEDの改善が見込めます。

1.ED治療薬を服用する

代表的なED治療薬の種類

ED治療薬は血管を拡張させ、陰茎の血流を増やすことで勃起をサポートする薬です。

効果・安全性が高く「ED診療ガイドライン」ではED治療の第一選択肢として推奨されています。

日本国内で承認されているED治療薬は以下の3種類です。

バイアグラ

バイアグラ

レビトラ

レビトラ

シアリス

シアリス

特徴 世界的に知名度のあるED治療薬 即効性が高い 作用時間が長い
ジェネリックの名称 シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
効果が現れるまでにかかる時間 30分~1時間 15分~30分 1~3時間
効果の持続時間 3~5時間 5~8時間 30~36時間
食事による影響 受けやすい
(空腹時の服用が推奨される)
やや受けにくい 受けにくい

なお、ED治療薬は国内では医療用医薬品に指定されています。インターネット通販サイトでの購入は、偽造薬による健康被害のリスクがあるため避けるべきです(※1)。

EDにお悩みの方、ED治療薬の処方が必要な方はクリニックまでご相談ください。

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(※1 参考)厚生労働省|医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

2.適度な運動を習慣にする

適度な運動は、EDの予防・改善につながるとされています。

運動には脂肪燃焼や血行促進などの効果があるからです。

とくにウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は「ED診療ガイドライン」でもED改善に有効であることが示されており、運動療法として推奨されています。

また、筋トレには男性ホルモン「テストステロン」の分泌を促す効果があり、勃起力の向上やEDの改善が期待できます(※1)。

仕事が忙しい30代はなかなか運動の時間を確保できないかもしれませんが、仕事終わりの時間や休日などを活用し、身体を動かすことを習慣化してみてはいかがでしょうか。

(※1 参考)SERUM STEROID HORMONE RESPONSES TO ACUTE RESISTANCE EXERCISE

3.健康的な食事を心がける

EDの予防・改善には、健康的な食事を心がけることが大切です。

適切な栄養素をバランスよく摂取することで肥満を予防し、勃起に重要な心血管系の健康を維持できます。

加えて、以下の栄養素・食品はEDの予防・改善によいとされています。

栄養素 食品例
亜鉛 牡蠣やレバーなど
シトルリン スイカやメロンなど
DHA・EPA サバやサンマなど
ビタミンE アーモンドやアボカドなど

上記の食材を積極的に取り入れ、栄養バランスの良い食生活を心がけてみてください。

脂質の多いジャンクフードや高カロリーな食べ物の食べ過ぎは、肥満や生活習慣病の原因となるため避けましょう。

4.禁煙する

喫煙の習慣がある方は、禁煙によって血管機能が改善され、EDの改善や予防につながる可能性があります。

ED診療ガイドライン」においても、喫煙者に対する禁煙指導は勃起機能改善に有効であることが示され、強く推奨されています

禁煙の成功率を高めるには自分の意志だけに頼らず、ニコチンパッチやニコチンガムを利用したり、禁煙プログラムに参加したりする方法が効果的です。

5.原因となる疾患を治療する

EDを克服するには、EDの原因となっている疾患の治療が必要不可欠です。

以下の疾患はEDのリスクファクターとされており、EDと併発しやすいことがわかっています(※1)。

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 心血管疾患および高血圧
  • 慢性腎臓病
  • 下部尿路症状

医師との相談や定期的な健康診断を行いながら、適切な治療を受けるようにしましょう。

(※1 参考)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン

30代の彼氏がED…原因は私?

「自分に魅力がないせいかな…」「私に飽きちゃったのかな…」と彼氏のEDに悩む女性の方もいるでしょう。

30代の彼氏がEDでも、女性側が自身を責める必要はありません。

30代はEDの症状が増え始める時期であり、原因は多岐にわたるからです。

もし彼氏のEDに悩んでいる場合、まずは彼氏の健康状態を考慮してみましょう。糖尿病や高血圧などの慢性的な疾患はEDの原因となることがあります。

ストレスや心の状態もEDの原因となることがあります。彼氏の心身の健康に問題がある場合は医師に相談すべきです。

大切なのはEDとなった彼氏を支えてあげることです。彼氏がEDに悩んでいる場合、自信の低下や、焦りを感じていることは間違いありません。

彼氏とうまくコミュニケーションし、一緒に解決策を見つけていきましょう。

30代になるとセックスそのものが好きでなくなる?嫌いになる人は少数派

当院の調査では、「セックスは好きですか?」という質問に対し、全年代の男性で7割以上が「はい」と回答しています(※1)。

30代になるとセックスそのものが好きでなくなる?嫌いになる人は少数派

20代が最も多いものの、30代以降でも大きな減少は見られません。

30代以降は男性ホルモンが減少し、性欲が低下する傾向があるとされていますが、セックス自体が「好き」という感情は年齢に関係なく残る人が多いのです。

また、「理想のセックス頻度」を調査した結果、全年代で5割以上の男性が「週1回以上」を理想としています(※1)。

30代になるとセックスそのものが好きでなくなる?嫌いになる人は少数派

特に20代では頻度が高い傾向が見られる一方、30代以降は頻度が徐々に減少することが分かりました。

これは、仕事や家庭などの責任が増えることで、セックスに割ける時間や体力が限られるためと考えられます。

(※1 参考)ユナイテッドクリニック|性欲のピークは何歳?800人の男性・女性に聞いた実態

30代のEDは改善できる可能性が高い

30代で身体的な健康状態が比較的良好であれば、ED治療薬や行動療法、心理カウンセリングなどによってEDを改善できる可能性は高いです。

糖尿病や高血圧などの基礎疾患がEDの原因である場合でも、適切な治療と生活習慣の改善によって、EDの進行を遅らせることができます。

EDの原因を早期に見極め、適切な治療計画を医師と協力して立てることが大切です。

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