EDの初期症状とは？まったく勃たなくなる前に気づきたいサイン

「勃起力が原因で満足な性行為が行えない」はEDに該当する

EDの定義は、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発することです（※1）。

EDというとまったく勃起しない状態を想像する方が多いかもしれませんが、勃起がみられても性行為がうまくいかない場合、EDに当てはまる可能性があります。

もしかしたらあなたの勃起に関する悩みは、EDの初期症状かもしれません。

気になる症状があれば、一人で悩まず早めに医師へ相談しましょう。

【医師からのコメント】

（※1 参考）日本性機能学会/日本泌尿器学会｜ED診療ガイドライン

EDの初期症状として考えられること

EDの初期症状として、次のような症状が挙げられます。

それぞれの症状について解説していきます。

朝立ちしない

健常な男性は睡眠中に副交感神経が興奮することで何度も勃起を繰り返しており、この現象を夜間勃起現象（NPT）といいます。

朝、夜間勃起が収まる前に起床することで朝立ちを自覚するのです（※1）。

ストレスや疲労で一時的に朝立ちが減少することもありますが、朝立ちしない状態が長期的に続く場合はEDが疑われます。

神経や血管の障害で陰部へと十分な血液が供給されなくなると、朝立ちができなくなってしまうのです。

一方、「朝立ちはするが、性行為になると勃起できない」という場合は、精神的な要因で勃起力が失われていると考えられます。

【医師からのコメント】

（※1 参考）健康長寿医学としての男性医学｜国際抗老化再生医療学会

挿入はできるが、硬さが不足している

挿入はできても硬さが不足している場合、EDの初期症状である可能性があります。

症状が進行すると硬さがさらに失われ、最終的には挿入ができなくなってしまうかもしれません。

簡易的な硬さの指標として、勃起の硬さを測定するEHSというスケールを参考にすることがあります（※1）。

EHSにはグレード1から4があり、数字が小さいほど重症度が高い状態です。グレード3はEDの初期で、進行してグレード1～2になると完全なEDといえます。

なお、EHSはあくまで症状の参考となる指標です。実際に医療機関で診断を受ける際は、他の症状や持病など総合的な情報から判断を行います（※1）。

（※1 参考）日本性機能学会/日本泌尿器学会｜ED診療ガイドライン

中折れする

挿入自体はできることから、中折れはEDではないと思う方もいるかもしれません。

しかし中折れは、勃起を長く維持できない状態であるため、EDの初期症状といえるでしょう。

症状が進行すれば、勃起を維持できる時間がどんどん短くなり、挿入すら困難になるかもしれません。

中折れを自覚したときは、初期のうちに治療することが重要です。

以前まではあった性行為への自信がなくなってきている

性行為への自信がなくなってきている背景には、EDが隠れているかもしれません。

自分はEDではないと思い込んでいても、硬さ不足や中折れを経験することで「若い頃のように女性を満足させられない」と自信を失っていきます。

また、EDの多くは身体的な原因と精神的な原因が混同して起こる（※1）ため、自信の喪失がEDをさらに加速させる恐れもあります。

性行為への自信が以前よりもないと感じたら、EDの初期症状が始まっていると捉えましょう。

（※1 参考）日本性機能学会/日本泌尿器学会｜ED診療ガイドライン

EDの初期症状が現れたら確認したいセルフチェックリスト

自分がEDかどうかをセルフチェックしたい場合は、IIEF-5（国際勃起機能スコア）が役立ちます。

直近の6ヶ月を振り返り、以下の選択肢の点数を集計してみましょう。

合計点からEDの重症度を判定できます。

※1

「重度」「中等度」に当てはまる場合は、医療機関を受診するのが望ましいです。「軽度」に当てはまる場合も、EDの初期症状が始まっていると捉えるべきです。

なお、上記のチェック方法はあくまで症状の度合いを把握するための目安であり、医師による診断の代用とはなりません。正確な診断を受けるには、医療機関を受診する必要があります。

EDのセルフチェックについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

（※1 参考）日本性機能学会／日本泌尿器科学会｜ED診療ガイドライン

EDの初期症状が現れたら行いたい対策

EDの初期症状は放置しても改善せず、さらには生活習慣病を合併していることもあるため、自覚した段階で早期に対策を行う必要があります。日頃から行うべき対策をまとめました。

【医師からのコメント】

食生活の改善

EDの初期症状があらわれたら、食生活を見直して栄養バランスの改善を心がけましょう。栄養バランスの良い食事によって身体のコンディションが整えば、勃起力を取り戻せる可能性があります。

以下は、EDの方が摂取すべき栄養素です。5大栄養素（炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミン）をバランス良く摂取しつつ、特に意識して取り入れてみましょう。

また、肥満はEDの原因となることがわかっています（※1）。肥満気味の方は、摂取カロリーを抑えることも意識しましょう。

（※1 参考）日本性機能学会/日本泌尿器学会｜ED診療ガイドライン

定期的な運動

20～80歳を対象とした海外の研究によると、運動不足がEDの発生に関与することがわかっています（※1）。運動不足の状態が続くと内臓脂肪が増加するために動脈硬化が起こり、陰茎の血流が悪化してEDの原因になります。

また、運動不足は肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクとなります。これらの病気もEDを合併することが知られているため、EDを予防・改善するためには定期的な運動が必要です。

EDを予防・改善するためには次の運動がおすすめです。

運動に関する具体的な内容は次の記事を参考にしてください。

（※1 参考）Kratzik CW｜How much physical activity is needed to maintain erectile function? Results of the Androx Vienna Municipality Study.

十分な睡眠時間の確保

睡眠中はテストステロン（性機能に関わる男性ホルモン）が分泌されるため、十分な睡眠時間を確保することで、EDの改善が期待できます。

さらに、睡眠不足は肥満や高血圧といった、EDを併発する生活習慣病のリスクを高める可能性があります（※1）。日頃から十分な睡眠を心がけましょう。

十分な睡眠を確保するには、規則正しい生活も欠かせません（※2）。

人間の体には体内時計があり、毎日一定の時間に寝付くことで、入眠時刻になると身体が自然と睡眠に備えるようになります。

また、朝はカーテンを開けて自然の光を浴びると、体内時計が調節されます。

（※1 参考）睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット（厚生労働省）
（※2 参考）快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット（厚生労働省）

飲酒量の制限

EDが疑われる場合、お酒の量を見直すことも重要です。

飲酒が直接的にEDに関係するという報告はないものの、EDを併発する生活習慣病のリスクを高める恐れがあります。

厚生労働省は、「節度ある適度な飲酒」を平均純アルコールで1日20g程度（※1）としています。

厚生労働省の基準に基づいた、1日のアルコール摂取量の目安を以下にまとめます。

※1

アルコールは少量であれば気分をリラックスさせ、性行為にプラスに働きますが、過度の飲酒は性的刺激に対する感度を鈍らせます。

さらに、過度の飲酒を長期間続けると男性ホルモンの分泌が低下することがわかっています（※2）。お酒は飲む量に注意して、適度に嗜みましょう。

（※1 参考）アルコール｜厚生労働省
（※2 参考）アルコールの作用 | 厚生労働省

禁煙

喫煙はEDのリスク要因です。喫煙により陰茎への血流障害や交感神経刺激などが起こり、勃起機能への悪影響を引き起こすと考えられています（※1）。

ED診療ガイドラインにおいても、ED患者に対して禁煙は強く推奨されています（※2）。

禁煙するためにはタバコが吸いたくなったときの対処法を考えておく、気分転換を意識するなどの方法もありますが、

自分の力だけで禁煙が難しい場合は、禁煙補助薬や禁煙外来を利用する方法もあります（※3）。

（※1）Biebel MG｜ Male sexual function and smoking.
（※2）日本性機能学会/日本泌尿器学会｜ED診療ガイドライン
（※3）禁煙の準備 – 禁煙7日前から行う、禁煙のコツを教えます！《準備編》| 厚生労働省

生活習慣病の初期症状としてEDが現れることも

以下のような生活習慣病は、初期症状としてEDが現れることがあります。

など

最近ED気味になってきたと感じる場合は、生活習慣病のサインかもしれません。

生活習慣病は、放置すると死亡原因ともなります。

ED気味だと感じる方はEDの治療だけでなく、生活習慣病の疑いがないかどうかにも意識を向けましょう。

EDの初期症状が現れた時点で医療機関の受診を

EDを発症した場合、治療には内服薬が推奨されています（※1）。

日本でED治療薬として認可されている薬は、バイアグラ、レビトラ、シアリスおよびそれぞれのジェネリック医薬品です。

主な治療薬を次の表にまとめました。

上記のED治療薬は、EDの初期段階でも服用できます。最近ED気味だと感じる方は、医療機関に相談しましょう。

10分程度の電話診療ですぐ処方｜お薬を郵送（全国対応）
電話診療（オンライン診療）のご案内

EDに関するよくある質問

EDに関して、よくある質問をまとめました。

Q.EDは筋トレで治りますか？

筋トレによって、EDの症状が改善する可能性はあります。

筋トレには、性機能に関わりが深い男性ホルモン「テストステロン」の分泌を促す効果があるためです。

Q.EDを自力で治す方法はありますか？

症状や原因にもよりますが、生活を見直すことでEDが改善する可能性はあります。

Q.EDが治るきっかけにはどのようなものがありますか？

精神的な要因で発症している場合は、パートナーとの関係改善やトラウマの払拭などがきっかけで治る場合があります。

身体的な要因で発症している場合は、生活習慣を改善しても突然EDが治るわけではありません。身体が健康な状態に近づくことで、徐々に勃起力が回復していきます。

まとめ

EDの初期症状には、以下のようなものが挙げられます。

上記の初期症状が悪化することで、最悪は「全く勃たない」という状態になってしまう恐れもあります。

たとえ現時点の自覚症状が軽くても、早めに医療機関を受診しましょう。

10分程度の電話診療ですぐ処方｜お薬を郵送（全国対応）
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