40代でEDになる原因は?治るきっかけは?治療法と医師の見解
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更新日:2024年04月29日 公開日:2023年05月23日
「40代になってから、なかなか勃起できなくなってきた」
「性行為の途中で萎えて最後までできない」
このように加齢に伴う性機能の衰えを感じて、ショックを受けている男性もいるのではないでしょうか。
実際に40歳以上の男性のED発症率は高く、あなただけが悩んでいるわけではありません。
本記事では40代でEDになる原因や治療方法について、医師の見解を踏まえて解説します。最後まで読めば、性機能の衰えに対してこれからどう向き合っていくべきかがわかります。
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この記事の監修者
ユナイテッドクリニック総医院長
細田 淳英
【経歴】
平成15年3月 帝京大学医学部卒業平成15年5月 帝京大学医学部付属病院勤務
平成19年4月 帝京大学ちば総合医療センター勤務
平成22年4月 山王病院勤務
平成25年10月 池袋ユナイテッドクリニック開院
40代のEDによくある原因|身体的な要因が関係する「器質性ED」が多い
40代のEDは身体的な要因によって発症する「器質性ED」が多いです。
器質性EDとは、動脈硬化や神経障害などの身体的な要因で発症するEDを指します(※1)。
血管や神経は加齢とともに衰えていくため、40代以降は器質性EDを発症しやすくなるのです。
具体的に、40代のEDによくある原因は下記の通りです。
- 生活習慣病
- 肥満
- 男性更年期障害(男性ホルモン量の低下)
- 乱れた食生活
- 運動不足
- ストレス
一つずつ解説します。
(参考 ※1)MSDマニュアル プロフェッショナル版|勃起障害
①生活習慣病
生活習慣病は神経障害や動脈硬化を引き起こして、EDの原因となる恐れがあります(※1) 。
生活習慣病とは、食事や運動習慣、喫煙などの生活習慣が発症や進行に関係する病気の総称です。年齢を重ねるにつれて発症しやすくなり、40代から急激に罹患者数が増えます(※2)。
生活習慣病には、下記のような病気が含まれます(※3)。
- 高血圧症
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 動脈硬化症
生活習慣病がEDを招くことは統計からもわかっており、高血圧で41.6%、糖尿病で42%、脂質異常症(高脂血症)で20%の患者がEDであるというデータもあります(※4)。
上記の病気になると血管や神経の健康が損なわれるため、陰茎に十分な血液が送り込まれなくなり、合併症としてED発症しやすくなるのです。
【医師からのコメント】
(参考 ※1)一般社団法人 日本臨床内科医会|ED(勃起障害)Q&A
(参考 ※2)全国健康保険協会|生活習慣病の罹患状況調べ(平成28年度)
(参考 ※3)e-ヘルスネット|生活習慣病
(参考 ※4)日本泌尿器科学会|勃起力が低下した
②肥満
肥満はEDを発症する原因の一つといわれています(※1)。
肥満は、糖尿病や脂質異常症といった血管の健康を損なう病気の前段階です。そのため、病気ではなくても肥満というだけでEDのリスクが高まるのです。
年齢を重ねると筋肉量が減少するため基礎代謝は下がり、肥満になりやすい傾向にあります。特に40代から50代は基礎代謝が下がる節目の年代なので、注意が必要です(※2)。
(参考 ※1)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン第3版
(参考 ※2)e-ヘルスネット|加齢とエネルギー代謝
③男性更年期障害(男性ホルモン量の低下)
EDの原因の一つに男性更年期障害が挙げられます。男性更年期障害とは、男性ホルモン(テストステロン)の量が低下して心身のさまざまな不調を伴う状態のことです。
テストステロン量は加齢に伴い徐々に減少していき、40代以降の男性は誰でも男性更年期障害を発症する可能性があります(※1)。
テストステロンは性機能の維持に重要なホルモンであるため、減少することで勃起に影響が現れると考えられているのです。
男性更年期障害は性機能の低下以外にも、次のような症状が現れることがあります(※1)。
身体症状 | ・関節痛や筋肉痛 ・疲れやすい ・発汗やほてり ・肥満、メタボリックシンドローム ・頻尿 |
---|---|
精神症状 | ・イライラ ・不安、パニック ・うつ ・不眠 ・興味や意欲の喪失 ・集中力や記憶力の低下 |
40代以降で複数の症状に心当たりがある方は、男性更年期障害を疑いましょう。
【医師からのコメント】
男性更年期障害はLOH症候群とも呼ばれ、男性ホルモンであるテストステロンが加齢により減少することで、性欲低下やEDといった性症状を引き起こします。
また、性機能の低下以外にも不眠や抑うつといった精神症状、疲労感や体の火照りといった身体症状を併発することがあります。
中高年でEDの自覚があり、かつ「最近疲れやすい」「夜眠れない」といった方は、男性更年期障害を疑ってみてもいいかもしれません。
(参考 ※1)日本内分泌学会|男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)
④乱れた食生活
乱れた食生活は間接的にEDの原因となる可能性があります(※1)。食生活の乱れはEDの原因である肥満や生活習慣病、男性ホルモン量の低下を招く恐れがあるためです。
ジャンクフードや野菜がない食事ばかり摂っている方は注意しましょう。
食生活の乱れが直接EDの原因になるわけではありませんが、正しい食生活はEDの予防・改善のために役立ちます。
(参考 ※1)日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED診療ガイドライン第3版
⑤運動不足
運動量が少ないほどEDになるリスクが高まるといわれています(※1)。運動不足はEDの原因となる肥満や男性ホルモン量の低下を引き起こすためです。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告」によると、40代で運動習慣がある男性は18.5%と、全年代でもっとも低い割合でした。
実際、「仕事が忙しく、昔のように定期的に運動する機会がなくなってしまった」という40代の男性は多いでしょう。
運動不足の男性はEDのリスクが高まるため注意が必要です。
⑥ストレス
40代に多いEDは器質性EDですが、なかには身体的な問題がなくとも、ストレスで心因性EDを発症する方もいます。
ストレスによって抑うつ状態になると、何に対してもやる気が出ない状態に陥ります。そのため性欲も感じにくくなり、身体的な問題がなくても勃起できなくなるのです。
40代になってから責任の大きな仕事を任される男性は多く、仕事によるストレスは増えがちです。また子どもの進路や家のローンなど、家庭の悩みが頭から離れないという方もいるでしょう。
心因性EDは性生活に関係がないストレスによっても引き起こされます。
40代になってから中折れするようになった…なぜ?
40代になってから中折れするようになった場合、EDを発症している可能性があります。実は中折れもEDの症状の一つです。
そもそもEDとは、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します(※1)。つまり「勃起はできるが、途中で萎えてしまう」という方もEDに該当します。
たまに中折れするくらいであれば体調によるものかもしれませんが、頻度が高い場合はクリニックで診察を受けましょう。
(※1 参考)MSDマニュアルプロフェッショナル版|勃起障害
40代のEDの改善方法
40代のEDの改善方法には次のようなものがあります。
- ED治療薬の服用
- 生活習慣の改善
- ストレスの解消
- ED以外の持病の治療
順に解説します。
①ED治療薬の服用
勃起力の衰えを感じている場合は、ED治療薬の服用を検討してみましょう。性行為の前に服用することで、勃起しやすい状態にする効果があります。
代表的なED治療薬には次の3種類があります。
バイアグラ | レビトラ | シアリス | |
---|---|---|---|
特徴 | 世界的に知名度のあるED治療薬 | 即効性が高い | 作用時間が長い |
ジェネリックの名称 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
効果が現れるまでにかかる時間 | 30分~1時間 | 15分~30分 | 1~3時間 |
効果の持続時間 | 3~5時間 | 5~8時間 | 30~36時間 |
食事による影響 | 受けやすい (空腹時の服用が推奨される) |
やや受けにくい | 受けにくい |
ED治療薬は、加齢で勃起力が衰えた状態で服用しても効果が期待できます。「もう若い頃のように勃起するのは無理かも…」と諦めている方も、一度医師へと相談してみましょう。
【医師からのコメント】
残念ながら、加齢とともにEDになる確率は上がります。しかし、体調面の問題がなければED治療薬は何歳になっても服用することができますし、十分な効果も期待できます。
当院にも70〜80代の患者さまが多くご来院され、治療効果を得ています。ED症状が出ても諦めず医師にご相談ください。
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②生活習慣の改善
EDを治すには生活習慣の改善が重要です。肥満や動脈硬化、糖尿病などのよくあるEDの原因は、生活習慣が関係しているためです。
生活習慣が乱れている人は、下記を参考に生活を見直してみましょう。
生活習慣 | 改善方法 |
---|---|
食事 | ・三大栄養素のカロリーバランスを摂る ・主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を1日2食以上摂る ・バナナやシリアルでもいいので朝食をとる (※1) |
運動 | ・1日8,000歩以上は歩く ・1回30分以上の運動を週に2回行なう (※2) |
睡眠 | ・休日に寝溜めしない ・夕方以降はカフェインを控える ・寝る前にスマホやパソコンを見ない ・できれば8時間寝る(睡眠不足を感じなければこだわらなくてもよい) (※3) |
飲酒 | ・アルコールは純アルコール量換算で1日20gまでとする 例:ビール500ml、日本酒1合、焼酎グラス1/2杯(100ml) (※4) |
喫煙 | ・禁煙する |
一気に生活習慣を変えようとするとストレスの原因となるため、できることから少しずつ習慣化していきましょう。
(参考 ※1)農林水産省|ちょうどよいバランスの食生活
(参考 ※2)とうきょう健康ステーション|身体活動・運動
(参考 ※3)とうきょう健康ステーション|眠り方改革してみませんか?
(参考 ※4)厚生労働省|アルコール
③ストレスの解消
心因性EDにはストレス解消が効果的な場合があります。仕事や人間関係などでストレスを感じている方は、以下のストレス解消法を参考にしてください。
ストレス解消法 | 具体例 |
---|---|
趣味や娯楽を楽しむ | ・スポーツをする ・映画館に行く ・ゲームをする ・ドライブを楽しむ |
リラックスできる時間をつくる | ・湯船にゆっくり浸かる ・すきま時間はスマホを見ずにぼーっとする ・マッサージ機でリフレッシュする |
性生活に関係がないストレスもEDの原因となります。ストレスはこまめに解消しましょう。
④ED以外の持病の治療
精神疾患や生活習慣病の治療によってEDが改善することがあります。持病が原因でEDを引き起こしているケースがあるためです。
「健康診断で高血圧や糖尿病を指摘されたけど、放置している」という方は、まずは持病の治療から始めましょう。
ただし、持病の治療をしたからといってEDがすぐに治るわけではないので、同時にED治療もするのがおすすめです。
40代のEDが治るきっかけとは?
40代のEDが治るきっかけは、以下のように器質性か心因性かによって変わります。
詳しく解説します。
器質性EDの場合:明確なきっかけは存在しない
器質性EDは生活習慣が原因で発症するため、EDが治る明確なきっかけは存在しません。
生活習慣の改善や持病の治療により、徐々に症状が改善していきます。
個人差はありますが、効果を実感するまでに最低でも3〜6ヶ月はかかるため、すぐに効果を実感できなくても生活習慣の改善を続けることが必要です。
すぐにED改善効果を得たい場合は、ED治療薬の服用をおすすめします。
心因性EDの場合:根本となる原因の解決がきっかけとなる
心因性EDの場合は、精神的ストレスの解消がED改善のきっかけとなります。
具体的なきっかけとして、以下のような例が挙げられます。
- パートナーと性生活について話し合う
- 性に関する悩みを打ち明ける
- 仕事のストレスが解消される
など
性行為の失敗が重なるとプレッシャーを感じ、EDが悪化する恐れがあります。根本となる原因の解決を図りつつ、ED治療薬の使用も検討してみましょう。
EDに関するでよくある質問
EDに関するよくある質問をまとめました。
Q.40代で朝立ちしないのは異常ですか?
健康な人のほとんどに朝立ちがあるため、朝立ちしない場合は器質性EDを発症している可能性があります。動脈硬化や神経障害などで、正常な勃起ができなくなっているのかもしれません。
昔よりも朝立ちの頻度が減ったと感じる場合は、クリニックを受診しましょう。
Q. 筋トレでEDが治ることはありますか?
軽度のEDであれば、筋トレで改善する可能性はあります。運動によって生活習慣が改善したり、男性ホルモン量が増加したりすることが理由です。
さらに筋トレによる血流増加も、EDが改善される理由の一つとして考えられます。
下半身の血流を増加させるためには、下半身を広く鍛えられるスクワットがおすすめです。
Q.40代でEDになる人の割合はどのくらいですか?
40歳以上の男性の3人に1人がEDだといわれています。国内のED患者数は推計1,130万人で、EDは珍しい病気ではありません(※1)。
(参考 ※1)一般社団法人 日本臨床内科医会|ED(勃起障害)Q&A
Q.ED治療が恥ずかしくて受診できません
実際にED治療を受けた方は「思ったよりも恥ずかしくなかった」と感じているようです。
ユナイテッドクリニックが実施したアンケート調査によると、受診する前に恥ずかしいと感じていた男性の割合は87.8%でしたが、実際に受診した後は33.0%と大幅に減少していました。(※1)
EDに特化したクリニックならスタッフも患者もEDに慣れているため、恥ずかしさが少し軽減されるのではないでしょうか。
どうしても人目が気になるという場合は、オンライン診療という選択肢もあります。
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まとめ
40代のEDの原因には下記のようなものがあります。
- 生活習慣病
- 肥満
- 男性更年期障害(男性ホルモン量の低下)
- 乱れた食生活
- 運動不足
- ストレス
EDは珍しい病気ではありませんが、男性の自信喪失にもつながる重要な問題です。
「勃起力が低下してきた」とお悩みの方は、一人で抱え込まずクリニックに相談してみましょう。
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EDと生活習慣病は密接に関係しています。高血圧や糖尿病といった生活習慣病を患っている方は、EDになりやすいことがわかっています。
40代になってEDの症状が現れたら「年のせいだから仕方ない」と諦めて放置せず、まずはご自身の生活習慣を見直すようにしましょう。